薄味に慣れましょう 「減塩」補う香り、酸味

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薄味に慣れましょう 「減塩」補う香り、酸味

アスパラガスの梅おかかあえ(手前)、具だくさんのみそ汁(左)、レタスの肉そぼろ包みご飯(奥)

 塩分を取りすぎると、高血圧の原因となり、脳卒中などを引き起こす恐れもある。料理にはどんな工夫をすればよいのか。

 長年「減塩運動」に取り組んできた、長野県栄養士会会長の園原規子さんにポイントを教えてもらった。

 長野県では、1980年代から「県民減塩運動」を実施してきた。今年発表された2010年の都道府県別の平均寿命は、長野(男性80・88歳、女性87・18歳)が男女ともにトップ。

園原さんは「『減塩運動』で食生活を少しずつ変えてきた成果が出てきたのでは」と話す。同会が監修した「長寿一位の長野県式減塩ごはん」(マイナビ)も今年発売された。

 園原さんが減塩のコツとして挙げるのは、まず「香味野菜を上手に使う」こと。

 レタスの肉そぼろ包みご飯は、ショウガの香りを効かせた料理。代わりに、塩分を含む調味料(みそ、しょうゆ)を3分の2程度に抑えた。

 肉そぼろ作りから。

タマネギ、ショウガ、ニンジン、エノキダケはそれぞれみじん切りに。フライパンを熱しゴマ油をひき、

ショウガ、タマネギ、ニンジン、豚ひき肉、エノキダケの順に弱めの中火でいためる。

肉に火が通ったら、みそ、酒、砂糖、しょうゆを加え、さらにいためる。

火を強め水分を飛ばせば肉そぼろの完成。

レタスの上に、白ゴマを混ぜたご飯と、肉そぼろをのせ、レタスで包んで食べる。ゴマ油の香りもいい〉

 香味野菜は、ショウガのほかにも、シソやミョウガ、ネギ、パセリがある。

また、唐辛子やサンショウ、カレー粉などの香辛料も上手に活用し、減塩に生かしたい。

 「酸味を活用する」のもお勧め。

 アスパラガスの梅おかかあえは梅干しの酸味が爽やかだ。

 〈アスパラは根元の硬い部分の皮をむいてさっとゆで、3〜4センチ長さに切る。梅干し、みりんと、かつお節半量を混ぜてアスパラとあえる。残りのかつお節をふる〉

 「しょうゆをかけなくても、梅干しの酸味と塩分だけで十分。かつお節の香りも効いている」

 また、料理に酢やレモン汁を使ってもいい。塩分を控えめにすると味が物足りなくなりがちだが、酸味の爽やかさが、おいしさを補ってくれる。

 「だしを効かせる」ことも大切。

「みそ汁には、かつお節や昆布、煮干しなどでとっただしをぜひ使って」と園原さん。野菜もたくさんいれて具だくさんにしたい。野菜からもいいだしが出るからだ。

みその量を減らしても、だしのうま味で十分に満足できる。また、具がたっぷりのみそ汁なら、汁を飲む量が少なくなり塩分摂取が控えめになる。園原さんは、「薄味の料理に少しずつ慣れていきましょう」と話している。

 厚生労働省は、日本人の食塩摂取量の1日あたりの目標値を、成人男性9グラム未満、女性7・5グラム未満と設定している。しかし、実際には平均値(2011年)で、男性11・4グラム、女性9・6グラムの塩分を取っている。同省では摂取量を抑えるよう呼びかけている。

【材料=2人分】

 ■レタスの肉そぼろ包みご飯(塩分1.8g/1人)

タマネギ 1/4個
ショウガ 1 かけ
ニンジン 1/4本
エノキダケ 50g
豚ひき肉 5 0g
ゴマ油 大さじ1/2杯
ご飯茶わん 2杯
白ゴマ 適量
レタス 小1/2玉
みそ、酒 各大さじ1杯
砂糖、しょうゆ 各大さじ1/2杯

 ■アスパラガスの梅おかかあえ(塩分1g/1人)

 アスパラガス 1束
梅干し(種を除いたもの) 10g
みりん 小さじ1杯
かつお節 少々

(2013年6月19日 読売新聞)