食物アレルギーのある子どもが避けなければならないのが「誤食」による事故。
アレルギーの原因となる食べ物を間違って食べる事故ですが、場合によっては命にも関わります。
家庭での食事や給食では対策がとれても、外出先などではいつも保護者の目が行き届くわけではありません。食物アレルギーのある子どもの親などで作るグループが調査した結果、子どもにアレルギーがあることを周囲の人に説明したのに忘れられていたり、子どもが食べてはいけないものをもらってヒヤッとしたり、あるいは、断れなくて困ったという経験がある人が、8割から9割にも上っていました。こうした事故を防ごうと、アレルギーを周囲に伝えるためのカードが作られ、普及が進んでいます。
このカード、幼い子ども向けに、自分に何のアレルギーがあるかイラストで示す形です。国の表示制度をもとにアレルギーの原因として、注意が必要な卵、牛乳など26品目のイラストがあり、この中から子どもが食べられないものを選んで名刺ほどの大きさのカードに貼り付け、周囲の人に知ってもらおうというものです。 http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/158856.html#more
◆市民ボランティア ALサインプロジェクト
http://www.alsign.org/index.html
◆アレルギー対応ガイドライン/厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku03.pdf
◆食物アレルギーについて
http://www.allergy.go.jp/allergy/publications/pdf/foodallergy.pdf
◆アレルギーについて知ろう/日本アレルギー学会
http://www.jsaweb.jp/public/index.html
<食物アレルギー>
食物を摂取した後に免疫を介してじんましん、湿疹、下痢、咳、ゼーゼー(喘鳴)などの症状(表1)をおこす疾患です。全身のじんま疹、血圧低下、意識障害など重症な症状まで出現するとアナフィラキシーと呼びます。稀ですが、アナフィラキシーショックといって生命にかかわるような状態にいたることもあります。
食物を食べて異常な症状が出ても、免疫が関与していないと、食物アレルギーと呼びません。この免疫としてIgE抗体という免疫グロブリンの1種が重要です。しかし、すべての食物アレルギーの発症にIgE抗体が関係しているわけではありません。IgE抗体以外の免疫(例えばT細胞)が関与する場合も一部の食物アレルギーではみられます。
食物を摂取してから症状が出現する時間で、便宜的に、2時間以内ならば即時型、それ以上の時間ならば非即時型としています。即時型にみられる主な症状は、じんま疹、かゆみ、口唇浮腫、嘔吐、咳、喘鳴、アナフィラキシーなどです。
非即時型の反応は乳幼児期の牛乳(粉ミルク)などが関与した腸炎による下痢があります。食物が関与したアトピー性皮膚炎は主として2歳以下の乳幼児にみられことが多く、IgE抗体が関与していますが、アトピー性皮膚炎そのものの悪化は非即時型であり、原因食品を摂取した後、数時間経って現れるとされています。