『竜馬がゆく』<1>を読んで 〜坂本竜馬が成し得た組織化〜

毎度ですっ(%笑う女%)(%晴れ%)

爽やか&スムーズに『竜馬がゆく』の第一巻を読み終えました。

(全8巻あります)

忘れないうちに、読後感想文を。。。

この前に読んでいた、司馬遼太郎小説

『坂の上の雲』(全8巻)は、日清&日露戦争の難解な戦争描写や、

登場人物の多さ、複雑な人間関係があり、かなり難しく、

読み終えるまでに半年くらいかかりましたが(%痛い女%)、

この小説は比較的読みやすく、すっすっ☆と行ってます(%ニコ女%)(%星%)

江戸時代末期の一般大衆の生き生きとした生活・価値観が

竜馬の人生を中心に伸び伸びと描かれてており、

情景が目に浮かび、爽やかな感動があります。

(私の近い祖先も、こんな感じで生きてはんたんやと思いました)

明治維新が1868年ですので、それから今年で145年となります。

約150年として、一世代30年とすれば、

私たち世代の5代前が、竜馬が生きていた幕末時代になります。

そう思いますと、意外と直近な時代が、この江戸末期ということになり、

ほのかに親近感を覚えると同時に、

たった150年でこんなに世の中が変わるんや〜(%ショック女%)(%星%)って

素直な驚きもあります。

今週末、かつて竜馬が生きていた土佐の国を

また「お遍路」で歩かせていただきますが、

あの壮大で荒々しい太平洋を日々眺めておりますと、

みんな大なり小なり、竜馬のように荒々しく大志を抱くように

なろうかと思われます。

つまり、土佐という土地ならではの“風土”が、

竜馬のような人物を創造した訳です。

また一方で、旧・土佐藩はもともと、長宗我部氏が治めていた土地なんですが、

1600年関が原の合戦で、豊臣側につき、

徳川幕府になった後、徳川側についていた遠江掛川城主・山内家が

土佐藩を治めることになりました。

元々、長宗我部氏に仕えていた武士は、下士(かし。郷士)となり、

山内家と一緒に新たに土佐にやって来た武士は、上士(じょうし)となり、

土佐藩特有の武士階級が出来上がりました。

上士は優遇され、下士は卑下される。

いくら下士が優秀であっても、生涯、昇進することもない。

竜馬の家は元々、商売人の系統(分家)だったようですが、

下士になったそうです。

そんな土佐藩特有の身分差別の不条理さを感じていたからこそ、

その原動力を持って竜馬は、あのような偉業を

成す人間に成ったのだと思われます。

そして、竜馬個人の性格も非常に重要な要素だと思われました。

竜馬は、歴史や人間のあらゆる矛盾・不条理さを肌で感じつつも、

父を敬し、母を愛し、仲間を大切にしながら、素直にまっすぐに育っていきました。

だから剣術も物凄く上手だったんだろうと思います。

相手を力任せに、上からガツン!とやっつけるのではなく、

まず相手に呼吸(気)を合わし、相手の”流れ(考え)”を読む。

その相手の流れによって、自身の武術をコロコロと臨機応変に変化させ、

気がつけば勝っている・・・という戦法のようです。

竜馬は、上の殿様クラスの人から、下の泥棒や売春婦的な人まで、

いろんな人を魅了する、不思議な人間的魅力があったようですが、

「俺はこうだから、オマエもこうせえ!」という上から目線で、

相手を変えようとするのではなく、

まず自分自身が相手(の心)に合わせ言動を変え、

相手の考え・価値観や人生を受け入れる・許し切る・・・という

まさに太平洋のような広い心・器を持った人間だったからこそ、

薩長同盟や大政奉還という偉業を成し遂げられたんだと思います。

土佐勤王党を立ち上げた武市半平太が竜馬に・・・

「おまえは武士だ、武士が敵を見て弱音を吐くか!」と

言葉を荒げる場面があります。

すると竜馬は

「吐くわい」と言い、

武市:「されば、おンしァ、武士ではないのか?」

竜馬:「武士武士とがみがみいわンすな。耳が鳴るわい」

武市:「されば、おンしァ、何じゃい」・・・と言ったところで竜馬が

「坂本竜馬じゃ」

と答えました。

竜馬は、自分が武士でも町人でも何でもなく、

そんなもの(肩書き)は、この世の借り着で、

正真正銘の「人間いっぴき」の坂本竜馬という考えの持ち主であり、

それが竜馬の生涯の価値観でありました。

ああ、だから、竜馬は、あのような偉業(大業)を成し得たんやなーって

この箇所を読んで、確信をいたしました(%ニコ女%)(%星%)

この本から気づいた

「竜馬が成し得た組織化」について図説してみました。

(右図をクリックすると拡大されます)

個々がバラバラに「日本、何とかせな、黒船にやられんでー」って

大なり小なり思っていた訳です。

そのためには、日本国家自体の体制(国体自体)を

ごっそり変えないといけない・・・ということも、

みんなだいたい分かっていた訳です。

そこで、出てきた思想(変え方)は大きく分けて

①尊皇攘夷派

②開国派

の2つかなと思われます。

また、①徳川幕府を維持する。か、②解体して天皇制に戻すか?

これでも国家を二分する対立が起こります。

世の中(大自然の摂理)として「対立の原理」というものがあり、

例えば、対立した・別々の個体である男(A.陽)と女(B.陰)が合一すると、

子どもという両方の性分を抱えた「C.」という個体が生み出だされます。

AとBが同一して、「AB」というものではなく、

全く新しい要素を持った「C」という個が生まれるというのが

ポイントであります。

結局、尊皇攘夷100%、開国0%でも、

開国100%でも、尊皇攘夷0%でもなく、

ちょうどいいアンバイで織り交ざった感じになりました。

また徳川幕府も、解体となりましたが、江戸城無血開放となり、

徳川家の人たちが全員殺される訳でもなく、

こちらもちょうどいいアンバイとなり、

明治維新という「C」という時代が誕生しました。

AとBという一見、対立した『個』を合一させるためには

“縁”という、ある種、人間ではどうすることも出来ない・・・

神がかり的な要素が必要となってきます。

そこで天(カミサマホトケサマ系)が選んだのが

坂本竜馬だったんだと思います。

竜馬にAとBを合一させるという使命・役割を天が与えたんでしょう。

ただ、天も、誰にその重要な使命をやらせるのか?

選ぶ権利というものがあり、

それを成し得る器を持った人間を的確に選んだんだと思います。

それが先述した、生まれ出た①自然環境・②人間環境、そして③個性です。

竜馬が成し得た組織化を図説してみました。

個ばバラバラだったのを、かれが合一すべく

日本全国を走り回ったのです。

「同じ日本人が対立している場合じゃない!」

「みんなで一緒に日本を外敵から守ろうじゃないか!」

そんなミッション&ビジョンを掲げ、それに向かって個(みんな)が

集まる・・・結集&合一するように仕向けたのです。

ほんと、身近ないざこざ&対立ばかりに目が行っている大多数の凡人とは違い、

常に大局観(自らに課せられた、使命・役割)に実直に従い

言動を起こし続けただけであります。

この表の下部に書かせて頂きましたが、

古今東西、世の中の多くの組織は、

多くの個の上に、“我を持った個”が居座っています。

本来、組織のミッション・ビジョンは、

『世のため人のため=自分のため』というものでなければなりません。

しかしながら、多くの組織は、

大なり小なり『自分のためでしかない』状態となっています。

口では、「世のため人のため」と言っていても、

実際(心)は、「自分のためだけ」という有様が往々にして存在しています。

だから、その組織は「偽りの和」でしかなく、

組織のミッション(物事)が真に成就して行かないどころか、

堕ちて逝くのです。

現在、「坂本竜馬みたいになりたい」

そう思う人はたくさんおられるようで、

高知にある「県立坂本龍馬記念館」は連日大賑わいです。

ところが、その中に、

「竜馬みたいに有名になりたい」

「竜馬みたいに歴史に名を残したい」という

“不届き者”が、ちょこちょこ混ざっています。

これはどこの世界・業界(?)にも、一定数存在しているようで、

四国遍路における仏の修行世界でも、“不届き者”のお遍路さんがおられます。

どうやら、このような一見、矛盾したことでも、

大局観(天の視点)から見れば、『自然の摂理』なのかも知れませんね(%ニコ女%)(%星%)

・・・竜馬は「歴史に名を残したい」から頑張ったのではなく、

「日本を何とかしなければ、日本はダメになる」と思い、

自身が思う信念(天から与えられた使命役割)をただ全うしたたけのことで、

「歴史に名を残したい」ではなく・・・

「(自然に)歴史に名が残った」のであります。

古今東西、このような「なんちゃって坂本竜馬」が蔓延りつづけ、

密かに切なく思い、諸行無常・・・平家物語的な侘しさを感じています。

竜馬さんも憂え、ちょっと泣いています。。。(?)

自身の“愛欠乏症”(親子・夫婦などの身近な人間関係から端を発した一種の心の歪み)を

坂本竜馬っぽく一見成ることで、自身のその欠乏を補うことは、

止めて頂きたい・・・そう、密かに思っています。

なぜなら、そんな個の下にいる、たくさんの個が全員不幸になるからであり、

それで地域も世界も・・・時代もよくなって行かないからです。

本当に哀れです。。。

竜馬のように

まずは、自身の“愛欠乏症”を解消(昇華)してからでないと、

世に残る大業は成し遂げることは出来ない。

それを肝に銘じて頂きたいと

私はここでこっそり、祈念いたしております。

ってことで、今後もボチボチと読み進めて参りたいと思いま〜す(%笑う女%)(%王冠%)