3年生は「グラデーションマジック」という絵画表現の授業を続けています。
私が授業で伝え続けていることは、モヤモヤ感を大切にし、自分がこうしようかなとか、こうしたいなあと感じたことやは、すぐ実行しよう、実行できないことは教師にやり方を聴いても結局はできないよ、ということです。
自分が何をしたいのか?それは自分にしか究極的なところはわからないはず。きっかけは他人が作ることはできますが、切実感を持って「自分は何したいのかなあ」と考える気持ちがまずはなければ、スキルも知識も意味はありません。
ある授業の開始前の休み時間。まだ授業は始まっていません。写真の生徒は、スケッチブックを自主的に用意し、もうモヤモヤ感の探検に入っていました。
何かを感じたのか、
指でイメージを空想で描こうとしています。その瞬間を写しました。
この生徒は、自分で自分に自信が持てず、枠を作って、その中で正解を求めてきました。創造的というよりは、正解らしき絵を何となく描いてとりあえず提出はすませる。分からないところは先生や友だちに聴く。友だちの作品をいつも気にして、全体の平均値の作品「この程度にしておけば、笑われないだろう。変じゃないだろう」というさくひNY亜発言を目指す。そういう生徒です。
渦巻きを描き始めました!!!!
今までは、直線的で堅い印象の線しか使っていなかったのに!!
この変化は、本人にとっては大きな出来事です。個人ルネサンスに近いかもしれません。
何かが変わり始めているようです。
ここを、しっかり教師としておさえて、本人に返したい。
そのキャッチボールは、美術でしかできないかもしれません。
すごい瞬間を見せてくれたこの生徒に感謝です。