昔の軍服工場、陸軍製絨廠跡に残る煉瓦塀と南千住の草津湯

現在荒川区の総合スポーツセンターになっている東京スタジアムの場所、戦前は陸軍製絨廠という軍服の工場でした。明治12年、羊毛から制服を製造する官営の千住製絨所が建設されたのが始まり。制服は圧倒的に軍服が多かったのか、1888年陸軍製絨廠に改組されました。ちなみに陸軍の軍服の色をカーキ色といいますが、この染色の方は堺市の大和川染工場が専門です。
終戦とともに民間の毛織工場になりますが廃業し、後楽園を巨人などと共用の本拠にしていたプロ野球の大毎オリオンズが、東京スタジアムを建設して移ってきたという歴史があります。現在も製絨廠時代の煉瓦塀がスーパーの前に保存されています。塀としては機能していないので、裏の控え壁の構造も見ることもできます。

煉瓦塀のところから東へ行って国道4号を渡ると、南千住駅の手前にあるのが草津湯です。南千住駅からは、北へ伸びる小さな商店街に出てる行灯看板を目印に、路地に曲がると、立派な伝統和風の草津湯の建物が見えます。JRや日比谷線などからも煙突がよく見えますのでご存知の方がいらっしゃるかも。
水平に差し込むタイプのクラシックな傘入れが夕日に輝いています。番台、格天井の脱衣場、湯気抜きのある高い天井と富士山のペンキ絵の浴室とも、伝統的銭湯の見本です。浴槽の種類は多くありませんが、ゆっくりとお湯を楽しみたい銭湯です。風呂上り、路地を抜けていく風に吹かれながら家路をたどる気分は格別です。
草津湯 荒川区南千住7-26-2 15:00〜24:00 火曜お休み 南千住駅からすぐ