横光利一の中の神戸

日 時 平成25年9月12日(木)
場 所 宝塚西公民館
主 催 宝塚市民カレッジ
 横光利一という作家・俳人は、明治31年生まれで菊池寛に
師事し、川端康成らと共に「新感覚派」と呼ばれた人物です。
 彼は菊池寛の推挙により「文芸春秋」の同人となり、紙面に
作品を発表するうち頭角を表しました。
 その横光が阪神間のモダニズムに魅せられたこともあって、
神戸を舞台とした小説やエッセイを残しています。
 今回はその中から昭和9年の「関西学院大学新聞」に掲載されたエッセイ「灘にゐたころ」を取り上げて解説をしていただきました。
 時は大正9〜10年頃に西灘で暮らした模様が内容で、当時 本人の姉の嫁ぎ先が神戸・灘であったことと、ちょうどその頃に失恋したこともあって、神戸へ出かけて行ったようです。
 エッセイのストーリーは、神戸へ行くといつも散歩することを楽しみにしていたことから、姉の家から西へ西へと徒歩(及び電車も・・・)で散策したルートの出来事で語られており、義兄の家(灘)⇒関西学院大学(現王子公園付近)⇒上筒井(当時の阪急電車の終着駅)⇒新生田川(居留地の建設の関係で付け替えられた)⇒元町(オシャレな街)⇒新開地(歓楽街)等々です。
 その結果、心も幾分癒されたかに見て取れるエッセイでした。