両国駅と、本所亀の湯

両国駅は電車のホームと汽車のホームが分かれていました。上野駅を小規模にしたような構造で、いまでも総武線のホームに立つと、並行して少し低い所に行き止まり式のホームが見えます。東京駅と錦糸町を結ぶ地下線がない頃、銚子や勝浦など房総へ行く急行は、両国始発が多く、このホームから発車していました。総武トンネルが開通して東京駅にターミナルが移り、両国発で残っていた急行も消えて、最後に両国駅から発車していたのは、午後の新聞輸送列車だったと思います。
駅舎はかつてのターミナルのイメージを残して、食堂などに使われています。

本所は昔は広かったと思いますが、今の住所では本所吾妻橋駅に近い狭い範囲になっていて、両国駅からは北へ1キロ以上離れています。住所が本所という銭湯には亀の湯があり、本所二丁目交差点の少し北です。
いわゆる宮造りではありませんが、玄関など落ち着いた雰囲気の和風の建物です。折上格天井の脱衣場は黒光りする木の造りがすばらしいです。浴室も高い天井がある伝統的な構造で、ペンキ絵はありませんが、青いペンキに塗られた壁などよく手入れがされています。飾り気はなくても、シンプルな浴槽はちょっと熱めのお湯で、とても気持ちがいいです。
亀の湯 墨田区本所2-20-3 16:00〜23:30 不定休 浅草線本所吾妻橋8