古隅田川河畔だった足立区柳原の大和湯

北千住からは東へ、京成関屋、東武牛田からは北へ、どちらも10分くらいで大和湯ですが、どちらから行っても、千住から柳原への境の道は三日月のようにカーブしています。これは荒川放水路工事で分断された昔の隅田川の名残です。古隅田川は北の利根川の方から流れてきて、堀切のところで北西から流れてきた荒川と合流してそこから下流は今の隅田川になっていました。分断された古隅田川の上流側は小菅の草津湯のところで綾瀬川に流れ込み、水が無くなった下流側は柳原の道路の線形に名残をとどめています。柳原という場所自体も、元々は葛飾に属していて、荒川放水路のはるか対岸になってしまいました。さすがに不便だったのか後に柳原は足立区に編入されたとのことです。

大和湯は三日月型に走る道路から少し東へ、狭い通りを入っていきます。黒光りする唐破風、鬼瓦など風格ある伝統和風の建物です。玄関を入ると正面に水平に差し込む方式の少し弧を描いた傘入れ。フロントに改造はされていますが、脱衣場は白く塗った格天井です。浴室は湯気抜きのある伝統的構造で、高い天井に大きな菱形一つの模様が目を引きます。浴槽の背景はペンキ絵ではなくヨーロッパの古城の写真。薬湯、バイブラ、熱めの深い湯など浴槽が多彩で気持ちいいです。
大和湯 足立区柳原2-43-1 15:30〜24:00 月曜お休み 北千住駅から10分