国立療養所多磨全生園まつり

資料館の1階では人権パネル展が、全生園祭りの会場では
人権ブースが開設され啓発活動を行いました

同じ多摩地区に住みながら今回初めて行きました
その歴史の重みは私には広島平和記念資料館や沖縄戦跡に
匹敵するほどの衝撃でした

人権の負の歴史として残し語り継がなければならないものとして
まだ行ったことのないアウシュビッツをも連想しました

広大な敷地の中には居住地のまわりに
樹齢数十年の大木が茂り長い歴史を感じさせ
納骨堂や様々な宗派の宗教施設があるのが印象的でした

資料館の2階の展示室では重過ぎる歴史を1度で受け止めるのは
難しいほどの様々な資料に圧倒されました
特に、明治から大正にかけて故郷を終われ放浪するハンセン病患者たちに
最初に手を差し伸べたのがアメリカ、イギリス、フランスなどの多くの
宗教者であったことに胸を衝かれました

しかし1930年代に無らい県運動が起こり、県内かららい病(ハンセン病)患者を
無くそうとして施設に強制収容しふるさとや家族から引き離され隔離されました
この時、病院で治療すると言われてきた患者などは納得せず
逃げ出そうとしたり、反抗的態度をとるなどして
処罰棟や重監房に閉じ込められて凍死や自殺する人もあったそうです

その後治療法が確立して諸外国が隔離から治療に代わっていっても
日本は相変わらず隔離政策を続けて差別的扱いを続けたことが
特に重大な問題です

現在、入所者は治療して病気は治癒して元患者なのですが
ふるさとや家族の受け入れ体制がなくて、療養所に留まることもあるようです

偏見と差別の恐ろしさ、残酷さをこれほど証明している展示を
現地で見るのは心が重くなりつらい時間ですが
一人の人間として目をそらさず向き合わねばならないと思いましたし
若い人や子どもたちにもぜひ訪れて欲しいと感じました