さくらびレポート189:安心の領域を広げる②

安心の領域は、広い狭いはありますが、誰でも持っています。

広いほど自由な感じもしますが、狭くてもよいと思います。他人が強引に広げるようなことがあっては絶対いめません。また、他者と比べて自分は狭いと落胆する必要もないと思います。タイミングと出会いがあれば、自ずと自然に、自ら広がっていくのではないかなと感じています。

美術の表現も同じです。「ここまでだったら自分も安心してできそうだな」という領域が、現時点での自分の「表現の安心領域」だと思います。そこに何かきっかけや、本人に適したちょっとした刺激を与えてあげるのが美術教師の役割なにかもしれません。

全員の生徒が同じ題材で同じように刺激を得て、同じように評価されるなんてことは、本来ナンセンスであり、不可能であり、なおかつ成長にとっては全く無意味であるということです。

美術的なきっかけ「感情を色で言うと?形は?どんな形?感情の手触りは?」というを与え、一人ひとりに投げかけていく。美術教師は、授業の中でそのくらいしかできません。それで十分なのかもしれません。そうすることによって、生徒が決して自分の現在の「安心領域」にとどまらず、「もうちょっとだけ領域を広げてみようかな」と気づき、アクションをおこしてくれればいいのかなと、そのくらい簡単に?考えています。