上方の芸・江戸の芸

日 時 平成25年11月16日(土)
場 所 大手前大学
主 催 大手前大学
 ここで言う”芸”とは、歌舞伎や文楽のことです。
 今回は歌舞伎俳優の芸に接し、魅了された文豪・谷崎潤一郎の
視点を通しての解説でした。
 たとえば歌舞伎ですが、「百聞は一見にしかず」でDVDにより
市川団十郎(助六)・市川寿海(青山播磨)・松本幸四郎(弁慶)の
芸を紹介していただきました。

谷崎の「初音」(昭和17年)の記述によれば、勧進帳の弁慶に
扮した松本幸四郎のことを「あの延年の舞を舞ふのを見れば
誰しも驚嘆するけれども、実は開幕の前に何本となく注射を
打って辛うじて演じ終せるので、幕間には楽屋でぐったり倒れ
てゐると云ふ・・・・・」と書いています。
 また文楽では、主たる人形使いが上半身と右手を、助手が
左手を、もう一人が両足をと三人で成り立っている由。
 芸を極めるということの大変さを改めて知らされました。