日 時 平成25年11月25日(月)
場 所 園田学園女子大学
主 催 シニア専修コース
ベトナム・グエン朝の頃、初代皇帝の福映(即位して嘉隆帝)
の乗っていた船が沈没した時、鯨に救われたことがあって
「鯨は難破船やおぼれた漁民を助ける」と信じられています。
したがってベトナムでは鯨は身内扱いで、食べることはなく
信仰の対象になっています。
因みに日本では捕鯨が前提であり、全国(和歌山・千葉・愛媛・山口・・・・・)に鯨塚はあるものの、鯨は高く売れるので”鯨は富をもたらす”とされています。
鯨がベトナムの文献に出てくるのは、地誌「嘉定城通史(1820)」で、”仁魚”として登場し、①漁民のために魚群を駆り立て、網の中に追い込む、②船が沈没する時、船を挟んで船員を落ち着かせる、③沈没船の人を救助し、上陸させる・・・等々と記述されているとのことです。
したがって鯨が信仰の対象になってきたのは、早くても18世紀頃からと推測されています。
鯨信仰の儀礼のひとつに鯨のお葬式があり、鯨の遺体が陸に打ち上げられたのを発見した人が喪主となり、遺骸を酒で清め、赤い布で包み、海岸近くの砂地に埋葬するのだそうです。
鯨を発見し、お葬式を司った人は幸運な人として皆からうらやましがられるとのことでした。
(写真は、鯨を祀っているベトナムにある陵です。)