しばらく行くと、長尾寺近くになり、旧村地域に入りました。
その沿線沿い5軒くらい、
クリスマスイルミネーションが施されており、
夜にここを通ってみたかった☆と思いました。
私が暮らす八尾でも、最初の一軒が始めたイルミを
ご近所さんがどんどん真似をして、そこらじゅうイルミだらけ!
という場所があります。
極寒の夜に、ほっとあったかくなる、クリスマスの風景が、
このさぬきの町にもあるやなんて、ちょっと感動しました。
遍路道を3周も回っておりますと、
新しくなる風景よりも、古くて無くなってしまう風景を見る機会が
多くなっております。
つまり過疎化が進んでいるということです。
昔はたくさんあったお店も、どんどん無くなり、
今では日常雑貨屋さんが、お店を二分割をして
もう半分を不動産屋さんにしたり、税理士事務所にしたり、
コンビニのようになったり、クリーニング屋さんを始められたり・・・と
一人何役もされているそうです。
でないと食って行けないんだと思います。
先述の新しく出来たうどん屋さんも、さぬき市界隈に3店舗展開され、
だけど、もともとは建設業・・・つまり二足のわらじ状態なんだそうです。
崩壊寸前の空家。誰も耕していない荒れた田畑。。。切ないです。
都会(東京)への一極集中・・・偏っています。
東京が崩壊したら、日本全体が沈没します。危険過ぎます。
大阪にいるとあまり考えない、この地域間格差の問題。
この四国を時速4キロで歩いていますと、
その問題をまざまざと見せ付けられ、深く考えさせられます。
日本は一つ、世界は一つ、地球は一つ。
全て繋がっています。
田舎・地方経済&コミュニティが崩壊すれば、
都会も全部崩壊です。
そんな危機意識を私は強烈に感じています。
遍路道沿いにカワイイ柴犬がおりました。
私の方をじーっと眺め、私が去ると、
振り返ってじーっと見ていました。
ほんと、柴犬はかわいい♪
犬の中で柴犬が一番好きなよしこちゃんです。
柴犬をマンキツした後、田舎道では滅多に見ない自転車に乗った人が
向かいからやって来ました。
確か数十分くらい前、私を追い越して行った、20歳くらいのおにいちゃんでした。
そのおにいちゃんがイキナリ止まって・・・
「すいません。財布落ちていませんでしたか!?」
どうやら、自転車をこいでいる途中に
ポケットから落ちたらしい?
だけど、見ていないので、「知りません〜」と言って別れました。
この師走の忙しい時期に、歩き遍路修行をしている人の方が
どうやら、心身の余裕があるねんなと思いました。
確かに、車とかで行き交う人たちは、お遍路さんが視界にも
入っていない感じで、そさくさとどこかに去って行かれます。
そんな忙しない、人間の日常風景を、
客観的に・・・まるでお山の上からのんびり観察しているような
優雅で余裕のある見方を出来るのがお遍路さんの強みでもあります。
この物事に対する見方は、大阪に帰って自身の日常風景の中でも
だんだんと出来るようになって来ます。
客観的・対極的に心身の余裕を持って、観察をしているので、
物事全体を見通してから、あれこれ判断し、行動に移すので、
この見方のおかげで、私のアホな失敗は減少したように思います。
たとえ取り乱すことはあっても、元の心身の状態に戻るのは早くなって来ました。
信念はより太く、そして深く。
思考・言動はよりしなやかに揺れる、時代・流れに合わせる。
そんな二刀流の生き方の境地が
おかげさまで、だんだんと見えて参りました。
しばらく行くと「真言宗 一心庵」というものがありました。
説明を読みますと、昔ここで「出張接待」というものをしていた
団体があったとのこと☆
「出張接待」とは、お遍路さんにお接待をする為にわざわざ国から
ここまでやって来て、お接待をされる人たちのことです!
昔は、ほんと、ものすごい方々がおられたんですね☆
だけど、時代の流れで、無くなったようです。
これは日本人の質の低下の結果なんでしょうね。
お遍路さんを騙して、物品を奪ったりする人、
お接待をする人を騙して、あれこれ盗んだり食い逃げしたりする
お遍路さんの格好をした人。
「乞食遍路」という、定職・定住先を持たず、乞食状態で
お遍路沿いを歩き、お接待という恵みで食い繋いでいる人。
ほんと、どこの世界にも、いろんな人がおるねんなーって感じています。
そんなこのブログには書けないくらいの堕落人間の存在を知るのもまた
この娑婆の世界での修行なのかも知れませんね。
世の中、綺麗事だけでは生きれません。
それは十分分かっています。
だけど、綺麗事だけ言ってやって生きるのが
人間の究極&最高の生き方であり、
みんなそこを目指すべきなんだと思います。
その最高の生き方=成仏であり、真の幸福が在るんだと思います。
綺麗事だけで生きたい。だけど生きれない。
そう綱引きしている中途半端な状態は
まだまだ自分自身の心が綺麗になりきっていないんだと思います。
中途半端に綺麗だと、汚い人間に騙され、餌食にされるような気がします。
その中途半端さ(=自身の未熟さ)が「スキ」を生み、
騙されていくんだと思います。
「正直者はバカを見る」という諺がありますが、
それは、「中途半端な正直者」のことなんだと思います。
徹底的に賢い正直者は、騙される前に「コイツは怪しい」と気づき
さっと逃げるか対処して、騙されないように出来るはずです。
<つづく>