ラブレ菌のもと
京漬物すぐき
京都は上賀茂で長年栽培されている伝統野菜の「すぐき菜」は、短い大根のようなかたちをしたかぶの一種です。
このすぐき菜の葉と茎を乳酸醗酵させた漬物は「すぐき(漬け)」と呼ばれる、京都の冬の名物。
近年、ルイ・パストゥール医学研究センターによってすぐき漬のみに存在するラブレ菌という乳酸菌が発見されたため、すぐきは一躍脚光を浴びることになりました。
ラブレ乳酸菌(ラクトバチルス・ブレービィス菌)は「健康を増進する純植物性乳酸菌」として、腸内環境を整え、ダイエットにも効果があるとされ、最近ではサプリメントや飲料に使われているものもありますね。
すぐき漬けはまろやかな酸味が特徴ですが、お漬物には変わりありません。塩分も含むので一度に食べすぎないようにしましょう。
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そもそも、「乳酸菌」って?
ヨーグルトやチーズに含まれる「乳酸菌」は、植物由来の食べ物にも含まれてるって、知ってる?
「植物性乳酸菌」は、野菜や豆、米や麦などの植物素材を発酵させる乳酸菌のこと。
とりわけ、日本では漬物や味噌、しょう油、さらには酒など米の発酵食品まで、さまざまな食品に生育しています。
一方、発酵した「乳」に生育するものは「動物性乳酸菌」と呼び、それぞれ区別しています。
植物性乳酸菌より作られた食品 キムチ 味噌 漬物 野沢菜
動物性乳酸菌より作られた食品 チーズ ヨーグルト ドリンクヨーグルト 乳酸菌飲料
京都の漬物から発見 !! された「ラブレ菌」
長寿で有名なコーカサス地方ではヨーグルトや乳酸菌飲料が多く口にされているという事実が、博士の乳酸菌への興味を大いに抱かせました。
あるとき、ルイ・パストゥール医学研究センターの岸田綱太郎博士(1920〜2006年)が目にしたのが「京都の男性は全国2位の長寿」という新聞記事。
ご自身も京都生まれの博士は、この記事に興味を持ち、京都人が好んで食べる漬物を、まさしく“かたっぱし”から調べあげました。
その結果、京都の漬物の中でもとりわけ酸味のある「すぐき」の中から全く新しい乳酸菌の一種を発見。それを「ラブレ菌」と名づけたのです。