日 時 平成24年3月2日(金)
場 所 芦屋公民館
講 師 久保正敏氏(民族学博物館教授)
オーストラリアの先住民・アボリジニの文化等の紹介です。
アボリジニがオーストラリア大陸に住み始めたのは5万年前と
言われており、東南アジアから渡って来たとされています。
年代の特定は火を使った跡等からの炭素分析によります。
ヨーロッパでは当初、南海の端は大きく落ち込んでいると
思われていましたが、ポルトガルのエンリケ航海王子等が冒険家達に南への航海を薦め、マゼランらが南アフリカ経由の航海路を開拓いたしました。
その後英国が流刑地として活用し、徐々に植民地化してアボリジニは奥地へと追いやられます。
そのアボリジニの精神は、「精霊が創世し、世界・人間・文化を造った。」とされており、彼らの祖先は動物や植物の精霊であるとの位置付でコミュニティが形成されています。
それをドリーミングと言い、音楽や絵画で表現されます。
絵画は、①樹脂画(写真)と②点描画に分けられ、前者はユーカリの皮に描いたもので、儀礼に用いられたボディペイティングがルーツで、後者は元々の砂画をキャンパスに落としたものです。
アボリジニは西欧の支配下となって、ずっと虐げられてきましたが、1973年に白豪主義が撤廃され、また2008年には当時の首相がこれまでの対応について謝罪されました。