人気の「麹」って、そもそも何だろう?
最近は、塩麹を調味料のように使ったり、甘酒をデザートに使うなど、「麹」が脚光を浴びています。麹とはそもそも何なのか、麹の働きなどをご紹介します。
執筆者:南 恵子
コウジカビはカビでも安全?
一部の種類のコウジカビでは、猛毒のアフラトキシンが生成され、発がん性や肝炎の報告があり、発酵食品に使われるニホンコウジカビやショウユコウジカビなども疑われた経緯がありました。
静岡市のサイトでは、
アフラトキシンを作り出されるのに最も適した条件は温度30℃前後、湿度95%以上。そのため、高温多湿の熱帯地方に生息するコウジカビが「アフラトキシン」を作り出しています。
一方、国内の土壌を調査した結果、「アフラトキシン」を生成するカビは日本にはあまり分布していないことが分かりました。したがって、国内で食品が汚染される可能性は低いと言えます。
とありますし、他にも、「アフラトキシン」を生合成する能力は失われているので安全ということが解明され(キッコーマン)、アメリカ合衆国FDAでは、麹菌の安全性を認定されているそうです(独立行政法人 農研機構 食品総合研究所)。
コウジ酸の安全性
低温乾燥された米麹は、スーパーなどで手軽に買えます。
コウジ酸の名前は、美容に興味がある人なら聞いたことがあるのではないでしょうか。
麹菌が糖を発酵する過程で生成されますが、シミの原因となるメラニンの生成を 抑えるという作用があり、美白化粧品などに利用されていました。
2003年3月に厚生労働省から動物実験で肝ガンをひきおこす可能性があると指摘され、製造が中止されましたが、その後の追加実験で、コウジ酸の化粧品としての使用は安全性上なんら問題がないことを証明されました。
このため2005年11月に 厚生労働省は薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会において「医薬部外品において適正に使用される場合にあっては、安全性に特段の懸念はないものと考えられる。」との見解を発表し、
使用中止の通知が撤回され、コウジ酸配合化粧品(医薬部外品)の製造販売の再開が認められました。