例年になく寒い冬でしたが、お水取りの行事が始まる目前の、2月25日に開催しました。寒さもあと2,3週間の辛抱です。
今回は、阪大院の言語文化研究科 日本語文化専攻で学んだアゼルバイジャン留学生 ユズバシェバ ギュネル(漢字名 牛寝)さんからの話参加者は15名でした。
05年に母国で勉強をはじめてから9年間なのに、達者な日本語でのプレゼンでした。間もなく帰国されるとのことで、日本でのプレゼンはこれが最後になるとのことでした。日本語も達者だったし、質疑の時間も約1時間あったので、色々なことが聞けて、良いカフェになった。

【国の概要】
 アゼルバイジャンを知らない人がほとんどだったが、首都のバクーは岩手山と同緯度の北緯40度で、カスピ海の西側のカスピ海に突き出た処にある。季節は、四季があってマイナス10℃〜40℃。夏は蒸し暑く大阪に似ている。イラン、トルコ、アルメニア、グルジア、ロシア及び、カスピ海に囲まれている。北海道と同じ面積に、940万人が住んでいる。
 国は、「火の国」で象徴される。古くはゾロアスター教別名拝火教の国(現在は緩やかなイスラム教徒の国)、産油国で、天然ガスも炎を上げ、活火山もあるなど、火にまつわる事物が多い。昼食は豚ミンチも入ったハンバーグ他の盛り合わせだったが、ハンバーグの替りにステーキにしてもらった。
 石の建物の写真は、ゾロアスター教の寺院

【言語】
 アゼルバイジャン語は32音で構成されている。トルコ語がベースで、ロシア語、ドイツ語、フランス語など色々な言語の発音も混じる。トルコ語はある程度分かる。
”こんにちわ”は「salam」といい、イスラム圏の共通言語になっている。

【食べ物】
 有名な食べ物にキャビアがあるが、70〜100万円/kgもするので、自分の様な学生は食べられない。日常の食べ物としては、「ドルマ」「レベンゼ」、「ケバブ」、「ピラフ」、「デウシュパラ」、「グタブ」などなどある。お茶は、洋ナシの形をしたグラスで飲まれる。いずれも賞味できなく残念。

【伝統音楽・舞踏】
 DVDで歌と踊りを紹介された。伴奏は笛や、ヴァイオリンの様な楽器で奏でられ、メロディーは西洋的であったり、アラブ的なところも混じり、リズムは緩急さまざま。発声も西洋的な部分もあれば、日本民謡的なややかすれた声の部分もある。舞踏は、頭にスカーフを付け、フリルのある衣装で、体全体を回転させて踊るところが多いが、掌や指先を繊細に動かしている。ロシアのコザックダンス風の踊りもある。ブログでは、お見せできなくて残念。厳格なイスラム教国であれば、こんなに歌舞音曲は大ぴらにはできないだろう。
寫眞は、民族衣装を着けた踊り子

【主な質疑】
 (Q)ヨーグルトは、ご存知のように、塩味とキュウリなどを刻んでいれたり(ヨーグル トの漬物)、スープ状にして食べたりもする。ギュネルさんから日本にあってアゼ ルバイジャンに無いものがある。それはカスピ海ヨーグルト。なぜ?と逆質問。
 (A)参加者から、京大の家森教授が隣国グルジアから種菌を日本に持ち帰ったと 由来の説明あり納得。
 (Q)なぜ日本に興味を持ったか?
 (A)いわゆるクールジャパンには興味はない。日本語を喋れる人が少ないこと。 
 日本の発展の素晴らしさに興味。距離的に近いので、西欧的なものには興味な
 くアジア的なものに興味を引かれる。将来は日本語通訳も考えている。
 (Q)日本の印象は?
 (A)日本人は残業時間が長く仕事好き。余裕が無くストレスも高い印象。余り人と相 談することがなく一人で抱え込むことが多い様子。もっと人と交流を拡げた方が 良いのでは。
 (Q)国境問題は有るか?
 (A)アルメニアとの間で紛争中。交戦はしていないが休戦中の状態。アゼルバイ ジャン自治区という飛び地がある。以前国土はまとまっていたが、間をアルメニ アに占領され分断されて飛び地になっている。
 (Q)父親の職業は?
 (A)物理学者で先生だったが、今は哲学者。貧乏学者が辿る典型的なコースと言わ れている。何時も思索にふけり、自分では何もしないがプライドは高い(武士の 高楊枝と同じ様な話で面白い)。

【次回開催】
日時:3月25日 10時〜12時 場所:於多目的ホール
 話題:AFS留学生によるシチリア島、オーストリア紹介
(文責 濱崎) 以 上