新たなクールジャパンは「弁当」…京都発世界へ「Bento」、“昼食文化”とともに

新たなクールジャパンは「弁当」…京都発世界へ「Bento」、“昼食文化”とともに

2013.8.31 12:00 (1/3ページ)[関西の議論 2013]

 学校に会社に、昼食用として持っていく弁当。日本の日常に溶け込んでいる弁当がいま、「Bento」として世界で注目を集めている。

京都在住のフランス人男性が弁当箱を扱う通信販売会社を始めたところ、世界80カ国から注文が殺到。有名シェフによる弁当レシピが登場したり、国際コンクールが企画されたりと、新たな“クールジャパン”は世界的ブームになりそうな気配だ。(佐々木詩)

京都土産に弁当箱?

 京都市中京区、六角通り沿いに弁当箱専門店「Bento&co」がある。パリの雑貨店を思わせる店内に並ぶのはさまざまな色や形の弁当箱や水筒、風呂敷など。日本人客に紛れ、海外からの観光客の姿もみられる。

 「夏休みは海外からのお客さんが増えますね」と話すのは、店を経営するフランス人のベルトラン・トマさん(32)。弁当を購入する客は、多いときには約3割が外国人だという。

 ベルトランさんは11年前、旅行で京都を訪れ、街のとりこになった。日本で働くことを決意、フランス料理店や日本の情報をフランス語で発信するライターなどをしていた。

2007年ごろ、フランスの母親とチャットをしていた際、母親が何気なく、フランスの弁当ブログを紹介する女性誌を教えてくれたことで、世界で弁当が流行する兆しを感じたという。

 「そのころはまだ、海外で弁当箱を手に入れるところがなかった。かねてから日本のものを世界に向けて売りたいと思っていたので、これだ!と思いました」とベルトランさん。すぐに、フランス語の通販サイトをオープンした。

 その後、英語版も立ち上げると、世界中から注文が舞い込んだ。これまで、欧米を中心に、ブラジル、カタールなど計約80カ国に発送した。

「ルーマニアの人が1人で1回に7万円購入されたこともある。弁当を作り始めると、いろんな弁当箱がほしくなるみたいですね」