新たなクールジャパンは「弁当」…京都発世界へ「Bento」、“昼食文化”とともに

新たなクールジャパンは「弁当」…京都発世界へ「Bento」、“昼食文化”とともに

2013.8.31 12:00 (2/3ページ)[関西の議論 2013]

 売れ筋は、2段弁当とお椀(わん)がセットになったこけし型の弁当。季節柄、ふたが保冷剤になっている弁当も人気だ。

弁当ブームにのって誕生したフランスのメーカー「モンベントウ」(私の弁当の意)の製品もパステルカラーと容量の大きさで人気を集める。

グルメの国フランスで高い“弁当熱”

 欧米にも「ランチボックス」が存在するが、中身はバナナとサンドイッチなど、簡単なもの。それに対し弁当は仕切りがあり小さい箱ながら主菜から副菜、デザートまで楽しめる。

健康志向の高まりのほか、日本のアニメや漫画から影響を受け弁当作りを始める人も少なくない。

 ベルトランさんによると、“弁当熱”は特にフランスで高い。日本文化への関心が高いことに加え、学校にレストランがあったり、昼休みに一度家に帰って家族で昼食を取るといった、昼食を大切にする文化があり、弁当を受け入れやすかったと推測する。

 パリ市内には、弁当を提供するカフェが登場しているほか、有名シェフも弁当に関心を示す。昨年末には、ジョエル・ロブション氏が著した弁当のレシピ本「ジョエル・ロブションおべんとうの本」(インフォレスト)も登場している。

エビフライ」「卵焼き」など、弁当の定番おかずから、「豚ヒレ肉のハーブファルシ」「トマトのプロヴァンス風」など、フランス料理店で出てきそうな料理のレシピが登場する。

 弁当は「Bento」として英語、フランス語などの辞書にものるように。インターネットで検索すると、自作の弁当をアップしたブログも多くヒットする。

 「昨日のお弁当。下の段にはご飯の上にサケとコリアンダーを乗せて。上にはミカンと自分で焼いたチョコレートケーキ」「シュニッツェル(カツレツ)とポテトサラダ。リンゴとヌガー。長い1日にはちょっと少ないかも」(ドイツのフリーライターの女性)