日 時 平成26年3月24日(月)
場 所 甲東公民館
主 催 甲東公民館活動推進員会
万葉集にタチバナが出てくる歌は68首だそうです。
万葉集では橘・橘花・多知花・多知波奈と書かれています。
このタチバナは小さな柑橘類であるコウジミカンやコミカン
のことを詠んでいるとの説が有力だとか。
またタチバナは、姓名(皇族から臣下に下った橘 諸兄)、
人名(日本武尊の妻オトタチバナ姫)、地名(飛鳥のタチバナ寺)のように植物以外にも使用されています。
柑橘類は古代に遡りますと、田道間守(多遅摩毛里)の話しが古事記・日本書紀にあります。
天皇(垂仁)が病気になり、田道間守が不老不死の柑橘系を求めて常世国へ行き持ち帰りますが、すでに天皇は崩御されていたので、天皇の墓所に捧げたとあり、これがタチバナであるとしています。
さて万葉集にはこのタチバナを詠んだ大伴家持の歌一首併せて短歌がありますが、その短歌は・・・
「橘は 花にも実にも 見つれども いや時じくに なほし見が欲し」(橘の花や実を見ていると、いつまでも見ていたくなる)・・・です。
また橘 諸兄(敏達天皇の五代孫)が橘姓を下賜されたことを詠った天皇(聖武)の歌も残っており、「橘は 実さえ花さえ その葉さえ 枝に霜置けど いや常葉の木」(橘は実も花も葉もすばらしく、永遠の木である)とあります。(写真は会場の庭です。)