荒川放水路開削で消えた東武の旧線、足立区曙湯

なぜ初湯の日に道を間違えたんだろうと、家に帰ってから地図を見てみました。するとそこには他の道路を無視してまっすぐに南東に伸びる一筋の道が。どうもこっちへ行ってしまったみたいです。
この道路はトレイン道路という名前がついていて、その名のとおり、いかにも昔の鉄道の廃線跡っぽい雰囲気。調べてみると荒川放水路建設に伴って移設する前の東武鉄道の旧線跡でした。東武の西新井工場は旧線と新線に挟まれた三角形の土地にあったわけです。旧線跡はだいたい道路になっていて、梅島駅の南、足立九中の敷地に一部消えていますが、すぐ先の交番のある交差点のところには、足立区が設置した標識も立っています。

この道路をずっと行って国道4号の梅田立体の先を左へ曲がると曙湯です。曙湯は某刑事ものドラマでヒロインの実家「おおがき湯」になったそうです。
鶴が二羽翔ぶ懸魚が下がった唐破風が立派な伝統和風で、玄関を入ると福助のタイル絵がお出迎えです。脱衣場は格天井、庭に四阿風の休憩スペースがあります。浴槽の背後はペンキ絵ではなく、富士山と湖、茅葺きの水車小屋、桜の花という素晴らしい細密タイル絵で、女湯の方はお城のようですね。床や壁のタイルは新しく清潔な感じです。サイドに岩風呂の露天風呂がありますが、ここは脱衣場の庭から休憩所につながったいい雰囲気の空間になっています。
曙湯 足立区足立4-22-3 15:00〜24:00 木曜お休み 五反野駅から5分