世田谷区の「空き家活用フォーラム」

世田谷区で行われた「空き家活用フォーラム」の記事が興味深いのでご紹介します。千里で増えつつある住宅の空き家(戸建&集合)、あるいは今住んでいる住宅を地域の公共財と捉えて、地域の集まりの場などに活用していく上で、大いに参考になるでしょう。

大筋の要約は次のとおりです。
・空き家等の地域貢献活用事例は大きく2種類。一般財団法人世田谷トラストまちづくりが行っている「地域共生のいえ」、そしてもうひとつが世田谷区社会福祉協議会が行っている「ふれあいの家」
・区外での空き家等地域貢献活用の事例。①東京都国分寺市で我が家の一角を週に1日地域に開放、地域分散型、持寄り型の図書館を作ったという篠原靖弘さん、②高島平団地の空室・空き地をサービス付き高齢者向け住宅、ディサービスや温浴施設などを備えたコミュニティ空間に再生したコミュニティネット
・篠原さんは「家は街とつながっていたほうがいいと思う」と言う。街やそこに住む人との交流は生活を楽しくしてくれるはず。篠原さんは街を知ることの大事さを実感した結果、まち暮らし不動産なる不動産会社を作り、月に2回、街を発見するディスカバリーツアーを国分寺、阿佐ヶ谷で開催している。
・シェア奥沢の主宰者である堀内正弘さんは、「シェア奥沢は職場、家庭以外の第三の場である」という。職場からも、家庭からも離れ、孤立して生きる高齢者が増えている。たとえ、経済的には困っていなくても、その寂しさが死に向かうこともある。それを考えると、これからの社会には職場、家庭以外の第三の場が必要である。しかし、公共の都市計画にそれを作ることはできない。であれば、シェア奥沢のような存在が必要なのでは。
・「行政は空き家等の活用の阻害要因を取り除くのが役目で、活用自体は民間のやることではないか」というパネルディスカッションのコーディネーターを務めた小林秀樹教授の言葉にも共感。
・民間に貸し出すなどして利用料が得られるようにしたらどうだろう。税金を投入しなくていい分、もっと活用例が増えると思う。