ドキュメンタリー映画『オロ』感想日記

<写真は、ご近所の工場跡地にたくましく咲くお花♪>

ほんと、久しぶりに自分の意志で

映画を観に行きました(%笑う女%)(%王冠%)

その映画『オロ』の感想日記を

ここに記しておきたいと思います。

オロという11歳くらいの少年が

映画の主人公です。

「チベットを返せ〜!」とか、熱く運動する云々の

激しい映画ではなく、

子供であるオロの目線で日々淡々と過ぎてゆく、

チベット難民の“今”を

そのまんま切り取った映画です。

観客にとって楽しく分かりやすく

物語が進んで行く…のではなく、

チベット民族の現状をシンプルに語る奥深い作品。

だから観客の感性や洞察力、価値観によって、

映画の見方や解釈、評価が変わって来るような作品です。

6歳の時に親と縁者の後押しで

(つまり大人たちは、亡命させることにより

子供たちにチベットの“未来”を託した訳です。

親たちの断腸の想いに胸が痛みます)、

ヒマラヤ山脈を越えネパールに入り難民になって、

インド北部の町ダラムサラで、チベット亡命政府が運営する

「チベット子ども村」という

難民の子供向けの学校がある場所で、彼は寄宿しています。

今や誰から見ても過酷な現実は、

オロにとっては普通の『日常風景』であり、

それを激しく嘆いたり憂えることもなく、

世界各国の子供たちと同じように淡々と暮らしています。

チベット民族の特性として

『争いを嫌い平和を愛する。“全て”を受け入れる』

というものがあるようです。

いいか・わるいか…ではなく

『今が全てよい・今を精一杯前向きに生きる』

という価値観・イキザマです。

これを「万象肯定の境地」と言うのだと思います。

世界で最も標高の高い場所で暮らすチベット民族は、

世界で最も高尚な民族であり、

ダライ・ラマ14世が何故非暴力による

問題解決を掲げているのかが、よく分かりました。

私だったら『目には目を…』と

武力で来る人間には武力でやっちゃってしまいそうです(苦笑)。

そんな高尚な民族のお隣に暮らすのは

今世界で最も暴力的膨張主義国家&民族

(っていうか、最悪なのはその中央政府のごくごくごくごく一部の連中だけでしょう!)

だというのもまた、“天の采配”なんでしょうね。

そんなお隣さんの存在が、

チベット民族の霊性(=徳)を更に磨き高め深めているのでしょう。

自分達の土地から離れバラバラに暮らしていても、

チベット民族の心は一つであることは

間違いないと確信しました。

何らかの方法で殺されて人数が減ろうと、

それは変わりのない事実です。

他民族の土地を奪い巨大化した土地で暮らす

膨張国家の民族の心はバラバラで、

決して一つにはなりません。

民族の“罪”が増えるだけです。

だから何かあった時(緊急事態)は弱いし、崩壊も早い。

これからの精神文明高度化の時代では、

やがて“宇宙の力”で自然淘汰され、

その罪を、我が身で持って清算しながら消えて逝きます。

今が膨張時代から崩壊時代への変わり目

つまり『最後のあがき』です。

映画の最後の方、オロが草原を歩きながら

一人で語っているシーンがあります。

彼は“祖国”〜家族〜への想いを語ります。

おかあさんに会えない。

家族が、民族が離散した現状をはじめて彼は

「かなしい」と全身で表現します。

だけど彼からは、その元凶をつくっている

膨張国家に対しての憎しみや恨みの感情はあまり感じません。

「いつか隣同士仲良く暮らせたらいいな〜」という感じです。

「ただただかなしい…だけど、それでも僕は生きてゆく」。

日本で言う小学5〜6年生くらいの彼のたくましさや美しさは、

豊かになり過ぎた私たち日本人が過去に置き忘れて来た

“大切なもの”を思い出させてくれます。

私はこの映画を通して彼の…

いやチベットの方々の生き様を知り、

「“希望”というものは、例え絶望的な状況であっても、

本人がそれを持ち続ける限り、

絶対になくなることはない…

本人がそれを手放した瞬間にそれが絶望に変わり、

生きる意味を失ってしまうのだ」

ということが分かりました。

そんなさ迷う魂を持ち、徘徊する

哀れな日本人が増えてしまいました。

日本中がモノクロで絶望感にけっこう犯されている感じです。

豊かさの中の貧困をひしひしと感じています。

それに対して、オロは何故そのような絶望的な状況下でも

絶対的な希望を持ち続けられるのか?

それは、親や親族(祖先含む)…民族から貰う“愛”があるから。

それは時空を越え、与えられ続けているものなのです。

それがチベット民族の祈り・・・“信仰”というものの凄さ・・・そして、

『誇り(その民族・人間たらしめているもの)』なのかも知れません。

その愛から感謝が生まれ、それか生きる糧になり、

そしてそれが民族創生の力に化ける!

やっぱり最後の最後に世界を変えるのは、

競争や略奪という行為、また武力という破壊兵器、

そして欲望や憎しみという感情ではなく、 “ 愛 ” です。

愛があれば、そこから智恵(叡智)が生まれ、

そして真に正しい言動が生まれて来ます。

これは私たち日本人の日常生活にも同様のことが言えます。

先日まで四国でサポートしていたエミリさんのご縁で、

カメラマンとして『オロ』を撮影された

津村さんと出会い、今回のご縁を頂きました。

で今日、大阪の某所での上映会に行くと、

倫理法人会の仲間・石黒さんがおられ、仰天しました☆

ほんと、世の中の狭さ、

そして摩訶不思議さを感じた上映会でもありましたぁ〜(%笑う女%)(%王冠%)

映画『オロ』公式ホームページ http://www.olo-tibet.com/