「フレイル」ってなに? 高齢者は注意!

「フレイル」とは
「(年齢に伴って)筋力や心身の活力が低下した状態」のことです。高齢者の病気の専門医などが作る「日本老年医学会」が、提唱した
もともとは「frailty(フレイルティー)」弱さ・虚弱という意味の英語で、欧米では既に20年程前から、医療現場で使われている言葉です。
そして先月、学会が声明文を出しまして、「高齢者の多くは、“フレイル”の段階を経て、要介護状態になるので、早期発見をして対処することが必要だ」と医療・介護関係者に呼びかけた。
日本にはまだ診断基準が無いので、アメリカで使われている方法で、チェックしてみましょう。
□体重減少 (日本人の体格だと、1年間で2〜3kg減っていたら要注意)
□(最近、以前より)疲れやすくなった
□筋力の低下 (例えば、買物で2㍑のペットボトルなどを運ぶのが大変に)
□歩くのが遅くなった (横断歩道を青信号の間に渡るのが難しくなった)
□身体の活動性の低下 (最近、趣味のサークルに出かけたりしなくなった)
この中で3つあてはまったらフレイルの疑いがあります。
フレイルというのは放置すると要介護につながる段階。別の見方では、健康と病気の中間のような段階です。

フレイルの予防法
(1)十分なたんぱく質、ビタミン、ミネラルを含む食事
(2)ストレッチ、ウオーキングなどを定期的に行う
(3)身体の活動量や認知機能を定期的にチェック
(4)感染予防(ワクチン接種を含む)
(5)手術の後は栄養やリハビリなど適切なケアを受ける
(6)内服薬が多い人(6種類以上)は主治医と相談
(荒井秀典・京都大教授による)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/189640.html

◆一般社団法人 日本老年医学会
http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/
もはや「虚弱」は使うべからず 「Frailty」の日本語訳は「フレイル」に決定
日本老年医学会の大内尉義理事長とフレイルワーキング座長の荒井秀典氏は5月13日、後期高齢者が要介護状態に陥る前に経る中間的な段階「Frailty」の日本語訳を「フレイル」とする声明を発表した。
声明によると、Frailty(フレイル)は、高齢期に生理的予備能が低下することで、要介護状態や死亡に至りやすい状態を指し、身体的問題のみならず、精神・心理的、社会的問題なども内包する概念。
かねて虚弱、老衰、脆弱などと訳されていたが、いずれも「加齢に伴って不可逆的に老い衰えた状態」との印象を与える。 

◆フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント
http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/20140513_01_01.pdf