今年4月、昨年末までの319の重度の脳性麻痺事例の原因分析を元にした「第4回再発防止に関する報告書」がまとめられ、公表されました。
今回の報告内容で最も注目され、大きく報道されたのは、「子宮破裂」についてでした。
これまでの4回の報告書でテーマに上がったのは、「胎児心拍の聴取」「新生児蘇生」「子宮収縮薬(陣痛促進剤)」「臍帯脱出」「常位胎盤早期剥離」がそれぞれ2回ずつ、そして、「診療録等の記載」「吸引分娩」「子宮破裂」「子宮内感染」「搬送体制」「クリステレル」が1回ずつです。
<子宮破裂の原因は何か>
今回の重度の脳性麻痺になった事例の分析で、子宮破裂があったのは12例で、その内、入院後に子宮破裂に至る事故が起きたケースが9例ありました。
子宮が破裂するというのは、出産においては相当深刻な事態です。
特に、医療機関に入院した後に子宮破裂が引き起こされた事故については、医療の管理下ですから、避けることはできなかったのか、という視点で、より緊急に原因分析をして再発防止策を講じることが重要な事例だと考えられます。
「子宮破裂」は、「陣痛促進剤」によって強過ぎる陣痛が引き起こされてしまうことによる「重大な副作用」の一つです。
日本の現状では、帝王切開術の既往がある人は、その次のお産も帝王切開術をすべきなのです。
もちろん、帝王切開術も大きな手術ですから様々なリスクを伴いますが、経膣分娩を試みる方が遙かにリスクが高いのです。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140428-00010003-wedge-life&p=3
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140529-00010002-wedge-life&p=1
◆第4回 産科医療補償制度 再発防止に関する報告書/日本医療機能評価機構HP
http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/prevention/index.html
◆「分娩誘発・促進(子宮収縮薬使用)についてのご本人とご家族への説明書・同意書」(例)について
http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/documents/prevention/pdf/Saihatsu_introduction_informedconsent_201402.pdf
医療機関で出産をする妊婦本人や家族は、ぜひこの「説明書と同意書」のひな形を印刷をして医療機関に持って行っておきましょう。
そして、「子宮収縮薬を使う場合は、必ずインフォームド・コンセントをこの文書に沿ってやってほしい」と医師に伝えておくとよいでしょう。