「源氏物語」その後

日 時 平成26年6月25日(水)
場 所 甲東公民館
主 催 甲東公民館活動推進員会
 中世の物語と言いますと「源氏物語」が浮かびますが、実は
この頃(平安〜鎌倉〜室町〜南北朝)には相当数の物語が書か
れていた由です。
 なぜそれが判るかですが、「無名草子」(物語批評の書)に28編
の批評が載っていますし、「風葉和歌集」(物語歌集)には200余
の物語の詠が1500首余り収載されていることによります。
 これらを総称して「中世王朝物語」と紹介されていますが、これを少し細かく見ていきますと、その特徴の移り変わりが見えてきます。
 すなわち冒頭の表現も、「竹取物語」では登場人物の紹介から始まりますし、「源氏物語」はいかにも優雅にスタートしています。
 「夜の寝覚」は主題を最初に持ってきていますし、「狭衣物語」では情景描写が出てきます。
 内容は宮廷物語でたとえば「有明の別れ」ですと、左大臣家に女子が出生しますが、跡継ぎを心配して一時男子として育て、やがてこれはバレますが最後には帝に入内するというものです。
 特徴は和歌を取り込んでいることで、その内の一首を紹介しますと、百人一首にもあります「有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし」があります。