希少糖、身近で高機能…低カロリー・内臓脂肪抑制
最近、コンビニエンスストアやスーパーなどで、パッケージに「希少糖」と書かれた飲料やスイーツ、菓子などをよく見かける。そもそも、希少糖とは何だろうか。
◆一部の植物から
身体のエネルギー源となる糖類は、生きていく上で不可欠な栄養素だ。砂糖に含まれるブドウ糖や果糖がよく知られている。
一方、希少糖とは、その名の通り、一部の植物などからわずかな量しか採れない希少な糖の総称で、50種以上あるという。ガムなどで使われている甘味料「キシリトール」も希少糖の一種だ。
希少糖の一種、「プシコース」については香川大学の研究によって、カロリーがゼロで、食事と一緒にとると食後の血糖の上昇を緩やかにしたり、内臓脂肪の蓄積を抑えたりする効果のあることが判明した。
◆大量生産に成功
市販されているレアシュガースウィート
プシコースは、10年ほど前に量産方法が開発されたが、それでも1グラムが数万円もする高価なものだった。その後、香川大学などとの研究に参加していた松谷化学工業(兵庫県伊丹市)が、低コストの製法を開発する。
それは、でんぷんから作ったブドウ糖果糖液糖にアルカリを作用させ、化学反応でプシコースなどの希少糖を大量に生成するという製法だ。
松谷化学工業では、2012年にプシコース、アロースなど3種類以上の希少糖が約13〜15%入ったシロップ「レアシュガースウィート(RSS)」(一般向けは500グラム、税込み1296円)を全国で発売した。
カロリーは砂糖の8割程度、砂糖と比べ甘さは控えめで、スイーツや料理に使った際、フルーツなどの香りや味のコクを引き立たせるのが特徴だ。
RSSの誕生をきっかけに、今年に入り、この甘味料を使い、パッケージに「希少糖」と書かれた商品が続々と登場している。
関連商品が続々
サークルKサンクスの「ぷにもちシュー(ミルク)〜希少糖入り〜」は今年1月に発売されたもちもちとした食感が特徴のシュークリームだ。
ローソンも「ウチカフェスイーツ 宇治抹茶ラテ(希少糖入)」を販売中だ。抹茶ムースとゼリーを組み合わせたスイーツだ。
ミニストップは7月1日、「M’SSTYLEカフェオレライト」を発売する。甘味料の約半分にRSSを使用し、1本あたり86キロ・カロリーに抑えた。
コンビニ商品以外にも、希少糖を使った飲料や菓子も増えてきている。
伊藤園の「希少糖ソーダ」は、国産梅を使用したすっきりとした味わいの炭酸飲料で、1本につき、希少糖が3・2グラム配合されている。
化粧品会社ノエビアの「ヘルシーカフェ」は、お湯に溶かして飲む希少糖入りの粉末コーヒーだ。
キャンディーやゼリーは気軽に希少糖を試せる商品だ。カバヤ食品の「希少糖キャンディ」は、RSSを50%使用している。
カンロの「希少糖プラスグミうるおうグレープ」は希少糖が入ったグミだ。コラーゲンやヒアルロン酸も入っている。(小沢妃)
(2014年7月7日 読売新聞)