ビタミンC失わない野菜調理 切り方・加熱方法は
ゆで汁は味噌汁に、炒め物には片栗粉
加熱方法を変えるとどうか。減少幅が大きかった千切りで「蒸す」「電子レンジ」「油でいためる」の3パターンを比較してみた。
3分蒸しても、レンジで1分加熱しても、油で3分いためても、どれもあまり減らなかった。
千切りにしたダイコンを5分間、10分間水にさらしたときは、3分ゆでたときよりもさらにビタミンCが減った。
一連の結果は何を意味するのか。ビタミンCに詳しい女子栄養大学名誉教授の吉田企世子さんを訪ねた。「ビタミンCは水に溶けやすいので、水にさらしたり長くゆでたりすると流出してしまう。
細かく切れば、水にふれる断面が増え、流出量も多くなる。いためた場合は油でコーティングされて流出が抑えられる」
ビタミンCは加熱など調理の過程で壊れやすい、とよくいわれるが「壊れるわけではなく、酸化するだけ」と吉田さんは指摘する。酸化しても体内では同じビタミンCとして働くという。
とはいえゆで汁などに流出してしまうと摂取量は減る。なるべく水にさらさないためにはレンジや蒸すのが有効だが、野菜によってはゆでてアクを抜いた方がおいしい場合がある。どうすればいいのか。