2014年8月9・10日Weフォーラム報告
運営委員・福井恵子
帰省客と台風11号の影響なのか、混雑する東京駅から発車間際の「やまびこ号」に乗車。京都からは遠くに感じる郡山ですが、東京からは案外近いです。
9日の午後からは、Weフォーラム全体会でしたが、会場のエアコンが効きすぎていて、どうにもこうにも(上着も膝掛けも持参していましたのに)出たり入ったり、ほとんど部屋の外やら会館の外回りを散歩状態でした。冷房に弱いのも情けないです。結局12時過ぎに会場に着いたのに、18時に友人が来られるまでぼんやりと静養状態でした。
18時半からの交流会は、賑やかに楽しかったです。「毎年スリーA認知症予防の分科会は盛会なのに参加出来ていないので、今年は自分のこととして参加します」という方、震災後福島の今を伝えたいと、雑誌(現在8号)を出された方にもお会いしました。「福島の声を届け。3,11以降の行き方を探り、支援と共生を目指す新雑誌J-oneジーワン」の「すぎたカズト」さんです。
ひとつ前の記事に平井知世さんが分科会のことを書いて下さっていますので、
福井が話した内容を少し書いてみます。
・認知症の方の特徴(増田末知子研修から)
連れあいが無くなり、子どもも独立し、残されて寂しくなって
ボーっとした時間を過ごしていると脳を使わないために起こる寂しい病で、
記憶・理解・判断力が低下します。
寂しくなった心を癒やすのは「優しさのシャワー」かかわり方を工夫することで
癒されて、認知症への食い止め進行を遅らせます。
関わり方を工夫するとは、
・本人に合わせた接し方、
・本人が誰かから必要・大切にされていると思ってもらえるかかわり、
・相談をすることが大切で、
そのような接し方の毎日の積み重ねで、落ち着きを取り戻して
穏やかな日常生活・暮らしができるようになる。
認知症本人は、何より辛い孤立感を感じている。
将来への不安・どうなるのか恐怖もあり、
周りの友人関係もなくなり、自立出来ない・時間感覚がずれてくる。
ブラックホールに居る自分、それを誰も気がついてくれない、
表現できないから訴えられなくて、理解されない。
・優しさのシャワーがどうして必要なのか。
寂しい病(別離・衰え・不安・恐怖・孤独感)の本人に、
それぞれに親身になって、笑顔・押しつけの優しさではなくかかわり、
温かな優しい気持のよいシャワーを浴びせ、降り注ぐことで、
本人は「楽しい・自信・生きる力を取り戻せる」
・スリーA認知症予防は、脳を活性化させ、脳のリハビリ訓練である。
予防ゲームでは
①あたまと身体を同時に使い脳を活性化させる。
②みんなで腹の底から笑う。
③スタッフからの優しさのシャワー
で、心を癒やし、自信回復させる。
相手を認めて、受け入れて、思いやることは、人間社会の根本である。
いま諸外国の・パーソンドケア、
アメリカのバリエーション、
フランスのユニマチュードなどと騒がれているが、
スリーA認知症予防には
その全てが取り入れてある。芯が通っている。
日本のガイドラインにも推奨されるツールが入っている。
スリーA認知症予防を、いかに使っていくか、
ゲームは道具、ゲームをやれば良くなるのではなく、
その中の優しさのシャワーが重要である。
(5日のスリーA東京フォーラムより)
・外部の方から見たスリーA認知症予防ゲームは、
ゲームの意図
①自分から積極的に声を出す。
両手の指の屈伸からはじめて、徐々に運動量を増やしていく
②皆で短い小学唱歌などを歌いながらゲームを進める、
歌詞と昔の生活の記憶を呼び覚ます
③ゲームのルール難度を少しづつあげ、
記憶の継続訓練を楽しく自然に行う
④一定のリズムに緩急変化を隠し味のように入れてメリハリをつけ、
変化への理解力と適応力を付け、リズム感を取り戻す
⑤簡単な計算を随所に織り交ぜて数の観念を呼び起こす
⑥チーム対抗ゲームでは、協調性と活力を自然に養う
⑦上手に出来ても失敗しても皆で声をあげて大笑いする
笑いの効用が倍加されて連帯感が生まれる
⑧スタッフから受ける優しさのシャワーで、
安心感と自信の回復、関係性の構築と強化
ゲームでは
☆間違いを人前で指摘しない、恥をかかせない
☆ひとり淋しくさせない、常に声をかける
☆一緒に行動する、数を数えたり、道具を配ったり、受け身でなく行動を誘う
☆ルールの説明が聞こえず理解できていない人を残したまま始めないように
☆聞こえやすい穏やかな声で、
ハキハキゆっくり言う、言い間違えないように、身振りも交えて
☆全員に目配りしながら、全員が共感し合えるように
☆失敗しても本人もろとも皆が笑える声かけを
☆黙っているときでも、温かいオーラを発し続けるように
5日に東京の衆議院第2議員会館の会議室(多目的室?)をお借りしての
スリーA認知症予防フォーラムは、
韓国の江南大学で教鞭をとっていらっしゃる佐々木典子先生が、
NPO認知症予防ネット設立10周年記念講演会での
講演の続きを話して下さいました。
その後、高林理事長がゲームの声かけのコツを披露して交流会に移りました。