心にふれる話 「僕も九条おじさん」

その日は台風11号の影響で激しい風雨となった。
高校3年生だから受験勉強もある。
それでも東京都世田谷区のN君は府中市内の
葬儀場に向かった。

今月5日に85歳で亡くなった小金井市の
「九条おじさん」こと箕輪喜作さんに
伝えたいことがあったのだ。

7年前、通っていた小学校近くの武蔵野公園で
バーベキューをしていると、笑顔の老人が
「憲法九条を守る署名を・・・・』と話しかけてきた

くしくも、小学校で近く上演する平和がテーマの演劇で
N君は『九条おじさん』の役を演じることになっていた

毎日一人で署名を集める箕輪さんは小金井周辺で
有名だったが、まさかここで会えるとは・・・

N君が署名後、演劇のことを話すと箕輪さんが仰天した
本番では自信を持って「九条おじさん」を演じることができた

観劇に来てくれた箕輪さんはうれしそうで
一緒に撮った記念写真を「私の宝物」と大切にしてくれた

N君にとっても宝物のような出会い
最後のお別れでどうしても伝えたかった
「平和や憲法を守ることを、これから僕らが引き継いでいきます」

<夏の花といえば朝顔ですね>