読書の秋。
私が知る限り、一番人間クサくて
分かりやすくてパワフルなお坊さんの講演家
薬師寺・執事の大谷徹奘(おおたに てつじょう)さん
(http://www.tetsujo.net/index.php)の著書本
『「修(なお)」しながら「行(すす)」すから修行という』を
読ませて頂きました。
大谷徹奘さんの本や法話は、とっても分かりやすく面白い、
だから最後まで楽しく聞けるし、心にぐっ!と来る。
難しい仏様の話(法華経)を、
身近な具体的事例を交え、分かりやすく解説して下さいます。
(時々、大阪のドーンセンターで開催される大谷師の「心の学校」に通っています)
大谷徹奘さんのように
難しい話を凡人にも分かりやすく咀嚼して
教えて下さる方が好きですし、尊敬しています。
難しい話を難しく話す講演家やお坊さんは多いです。
中途半端にしか理解していないから、
聞いている人が理解出来ないというパターン(人)、
また「いかに自分は物知りか」と、
凡人を見下げているという気が漂って来て、
自惚れているパターンもあります。
そんな人間程、言動に反して人間を救済する器や術を
あまり持っておりません。
もう一ランク高い修行が必要かと思います。
それは、全ての人を愛し、許し切る修行なのではないでしょうか。
(それがこの世で最も難しい行なのではないでしょうか ーー;)
そこまでのレベルに達することが出来れば、
自分が体得した知識や叡智、そして行(実践)全てによって
真の意味での人間救済が出来るのではないでしょうか。
この本を読ませて思ったこと・・・それは
「修行」とは、『過酷なもので、人里離れた山でするもの』
という部分もあろうかと思われますが、
それはごくごく一部の
「『行者』に成り精進することによって自他共に救う」という
使命・役割を天に与えられた人間だけに当てはまることであり、
殆どの人間にとっての「修行」とは、日々の生活・人生の中で、
「自分のよい質(たち)を伸ばし、
と同時に、わるい質を正してゆく」という
至ってシンプル・・・
しかも人によって質と量(凸凹)が違うものなんだということです。
分かりやすく例えますと、
人間はこの世に生まれた瞬間、心の中に
「丸太」を置かれて生まれて来たのだと思います。
その「丸太」を、
自分や他者、環境・境遇などが『震源地』である・・・
外部環境や内部環境から起こって来る
苦難を始め様々な出来事・出会いという・・・「ノミ(刃物)」で、
『仏像』という作品・・・人生そのものを掘って創り上げてゆくのです。
人生の真の目的は、何か(富や権力など)を得ることではなく、
自らの心に厳しいノミを入れ、何か(悪い煩悩・色欲)を削る・捨てることに
真理があるのではないでしょうか。
つまり人生の醍醐味とは、得ることではなく、捨てることなのです。
人間は生まれ持って、仏になる可能性が与えられています。
それを「丸太」というもので例えさせていただいております♪
長いようで短い、80年程度の人生で、
その丸太を自分の手で、また人様の力を借りてせっせと仏像を掘り、
少しでも仏ののカタチに成る・仏心が持てるように精進するのが、
修行というものの本質なんだと思います。
仏≠人間(仏とは、人間ではない)という図式が成立すると同時に
仏≒人間(かなり近い)という図式も当てはまると思われます。
人間が悟りを開けば、だれでも仏に成れる訳です。
その境地とは、苦難から解放され幸福のみの世界に生きる、
救済完了の境地であります。
苦難があり、幸不幸という相反する善悪的&陰陽的要素二つが
一人の人間の中に混在しているのが人間であり、
神仏の境地になると、善い方のみになる&全てが一つになる・・・
善悪などの陰陽を超剋した、全一統体の境地になってきます。
人間はそんな境地・・・
全てを満たされた幸せの境地に行くために
日々この世で切磋琢磨生きているのだと思います。
違う言い方をすると、
人生の真の目的とは「幸福の追求」だと思います。
その幸福の追求の過程は、とっても過酷であります。
一所懸命ちゃんと生き、結果を出しても、
満たされる瞬間は一瞬であります。
また次の課題・問題や目標、欲が出てきます。
ですので常に「今の自分」と
「あるべき・なりたい自分」とは開きがあります。
「今の自分」が「あるべき・なりたい自分」に近づけるよう、
人間は自然と無意識に『修行』というものをしています。
「あるべき・なりたい自分」になるためには・近づくためには、
「今の自分」を変える・進化&深化させるしかないのです。
今の自分を変えないと、境遇も幸福度も変わらないし、
しかも「変わらない」ということは、
叡智のある&進化すべき人間としては
「怠慢」であり「退化」であります。
人間が進化し続けることによって、その他の生物が
そして地球・宇宙全体が生成発展してゆくのです。
人間はそんな重要な役割を担っている訳です。
そんな重大な使命・役割に気づかず、
自己中心的な生き方をすると、自分が不幸に堕ちてゆく
だけでなく、地球・宇宙全体が堕ちてゆくのです。
今の地球上で起こっている問題を
ちょっと深く考え、冷静に観察すれば、
今の地球人全体がいかに自分勝手で我儘に
罪を作り続けているかが分かります。
だから、人間の力ではどうしようも出来ない
あらゆる天変地異や環境問題が起こって来ているのだと思います。
地球上の大きな問題も、
元をただすと私たち地球人一人ひとりの
意識・言動の質量の総計(顕れ)であり、
国家や権力者、政治家だけが変わればすぐ良くなるとも限りません。
そんな政治家や権力者を蔓延らせ、
そんな国家・世界を作っているのは、
結局、政治を他人任せにして、
自分の目に見える範囲の事(自分だけの利益)しか関心のない、
有権者の責任であります。
私もいち有権者として、
政治家の選択をしっかりと責任を持って行うと共に、
質量と共に今後も様々な活動に参加したいと思います(^^)♪