若年認知症の方に楽しんでもらって

昨日、すばらしく嬉しい体験をしました。
市内のO小学校の空き教室は、デイサービスセンターに生まれかわっています。そこを会場として、毎月一回、地域包括支援センター主催の認知症予防「スリーA」教室が実施されています。
その教室に、ゲームリードに招いてもらって行っています。

昨日はたまたまですが、若年認知症の方かなと思われる新人が、来られていました。
幸運にもその方の隣のイスが空いていたので其処に私が座り、反対側の隣に毎回参加してくださる病院勤務の看護師さんが座られました。幸運でした。天の配剤かと思います。

ゲームが始まると、隣の方は、ゆっくりのリズムもできないのでした。離れて座っている同じ症状の方はいつも参加されているので、ゲームに慣れて明るい顔でリズムゲームを楽しんでおられます。
初めての方にも楽しんで頂きたくて、胸の前で拍手を一つ入れるゲームでは、いつも「秘伝」ですよ、なんて言って公開しているコツ、本人も気づかない内に救う「誘いかけの手の動き」を最初から駆使して、うまく流れに入ってもらうことが出来ました。成功です。それだけではありませんでした。

歌を歌いながらの「お手玉回し」のゲームでは、最初のルール説明も理解がむつかしいようでした。ここでゲームに入っては突き放すも同然です。普通のやりかたではダメだ、と思って、大多数健常者の皆さんを巻き込んで、「奥の手のコツ」を最初から入れました。
いきなりコツをいれると、多数の参加者さんが違和感を持たれます。皆でコツを楽しみながら同調してもらうために次のように言いました。

このゲームには流儀があるのですよ。
今日は「ロボット流」でやってみましょうね。

これで「お手玉回し」4拍子を、超スローモーに、大げさな身振りで開始しました。これは大成功でした。
皆さんが大笑いで同調してくださる。お隣さんもルールが体で解る、リズムに乗れる。大成功だと私は快哉!

明るい気持ちで次の出張、ゲーム道具の荷造りに取りかかり、発送まで済ませることが出来ました。
空は秋晴れ。「スリーA」の伝達、一泊二日の講座に明日は出発です。 高林実結樹