葛飾区立石の富の湯、「立石」とは

交差点が近すぎてなかなか渡れない奥戸街道の京成踏切の北を右へ行きます。目立つ破風はありませんが、すっきりした和風の建物が見えてくるのが、富の湯です。午後2時半と早くから開いているのが貴重です。玄関は改装されて、フロント方式です。脱衣場は天井が高く、また新しくなっています。浴室も天井が高く、きれいで気持ちがいいです。見所は、浴槽の背景にあるモザイクタイル絵で、広重の東海道五拾三次、箱根です。左手の湖水の向こうの富士山が少し大きめに描かれているのは、さすがに銭湯ですね。
富の湯 葛飾区立石2-19-6 14:30〜23:30 月曜お休み 京成押上線京成立石駅から10分

富の湯のある立石、駅名にもなっている立石という地名の由来は、「立石」という石だそうです。立石駅よりも青砥駅に近い立石八丁目の住宅街の中にある小さな公園に、その石はあります。鳥居に守られた小さなスペースにわずかに頭をのぞかせる石。若干拍子抜けという感じですが、これが江戸時代から有名な立石様です。立石付近には古墳が多く、古墳時代に千葉県から石室を造るために切り出されてきたと考えられています。その後、古代東海道の時代から道標として立てられていたということで、近くの中川沿いには子育地蔵、馬頭観音、帝釈天王道の道標などもあります。