日本の子どもの自尊心 自己主張をどう育むか 佐藤淑子より その3

*自己主張の定義は「他人の権利を侵害することなく、
個人の思考と感情を敵対的でないしかたで
表現する行動」である

*日本人の子どもは「うち」と「そと」で異なる
ふるまいをすることをしつけられる。

それは家の中での「甘え」と家の外での「遠慮」の
二重構造のしつけである。
日本人の場合は「うち」では自己主張しているのであるから
家の外では自分を出さないという文化の表示規則が変化すれば、
自己を開示することが可能になり、自己主張もでき、
セルフ・エスティームも高まる可能性がある

それがなぜ重要かというと、前著に述べたように
「そと」の少し心理的距離のある対人関係の場面で
自己主張できることが子どもの社会性の発達を支えるからである。
文部科学省調査によれば小・中学生の不登校は
2年連続で増加している(2008年)
その理由として「人間関係をうまく構築できない
児童・生徒が増えている」が1位に挙げられている。
こどもの「そと」での自己主張を育み,
対人行動の文化規範を少しずつ変容させることが
重要であると思われる