関西学院大学社会学部とNVNADとの共同運行によるボランティアバスを、3月6日〜10日の日程で、野田村に向けて出しました。今回のボランティアバスは、関西学院大学としては第10弾、NVNADとしては第24弾になりますが、学生19名、教員・スタッフ4名のあわせて23名による活動となりました。
 3月6日午後4時に関西学院を出発し、一路岩手県野田村へ。翌7日朝9時前に野田村に到着し、滞在初日の活動を始めました。まず野田村を知ることから!ということで、参加学生の企画・準備による街歩きを行いました。はじめに野田村民の貫牛様から野田村についてお話いただいたのち、4グループに分かれて野田村内を歩きながら、気付いた点を記録していきました。昼食をはさみ、午後は二手に分かれて活動しました。1つ目のグループは、地元にあるさをり織のグループに体験参加し、ランチョンマットづくりを教えていただきながら、交流の機会とさせていただきました。限られた時間ではありましたが、各自ランチョンマットを完成させることができ、また震災時の話をはじめ、色々なお話をうかがう貴重な時間となりました。一方、もう1つのグループは、翌日の活動準備として、仮設住宅で振る舞うおでんの買い出しと下ごしらえの他、仮設住宅をまわってチラシのポスティングを行いました。

午後6時頃に宿舎のえぼし荘に到着、夕食ののち、午後8時より初日の活動のふりかえりを行いました。前半は、午前中におこなった街歩きのグループごとにディスカッションを行いました。そのあと、各グループによる発表を行い、街歩きから得た情報や感想を全員で共有しました。熱心な議論が展開され、あっという間に2時間半が経過、初日のふりかえりは午後10時半に終了しました。
 3月8日、滞在2日目の活動は、野田中仮設住宅、泉沢仮設住宅、南浜コミュニティセンターの計3ヶ所での交流活動でした。野田中仮設での活動組は、お昼におでんを食べていただきながら交流することを予定していましたので、午前中からおでんづくりにとりかかりました。学生さん達は、慣れないおでんづくりに四苦八苦の様子でしたが、何とか12時前には完成し、仮設にお住いの方々が、集会所へと集まってくださいました。おでんは好評で、皆さん喜んでくださいました。集会所にはハンドアロマのコーナーも設けましたが、そちらも順番待ちの盛況ぶりでした。

泉沢仮設と南浜コミュニティセンターでの活動組は、午後の茶話会でお出しするお茶菓子づくりからスタートしました。教えていただいたのは、野田村の新山幸子様、“あんぴん”づくりの名人と呼ばれている方です。“あんぴん”とは、お餅であんこをくるんだお菓子、いわゆる大福餅です。新山様に、前日からあんこづくりなどの準備をしていただいたおかげで、美味しい“あんぴん”が出来上がりました。お菓子作りのあとは、泉沢仮設と南浜コミュニティセンターに分かれ、それぞれの集会所で茶話会とハンドアロマを実施しました。南浜地区は、震災前から住んでおられる方と、震災後、この地区にある災害公営住宅(復興住宅)に入られた方の両方がいらっしゃる地区で、我々にとってこの地区での活動は初めてでした。少し不安に感じながらのスタートとなりましたが、たくさんの方にお越しいただき、新しい出会いがあったことを嬉しく思っています。夕方からはチーム北リアスの現地事務所に全員集合し、貫牛様と野田村村会議員の山田様にお越しいただき、1日目に街歩きしたときの映像をスクリーンに映しながら見ていただき、学生さんたちが野田村の現状について気になった点や疑問点などを、山田議員に直接質問させていただきました。復興の現状や課題を中心に、野田村の魅力や今後の抱負などについて熱く語って下さいました。そして、夜はえぼし荘に戻り、夕食後はまた一日の活動のふりかえりを行いました。

3月9日、最終日の活動は、朝から、えぼし荘の隣りにある下安家(しもあっか)集落の方々がお住いの地区でハンドアロマを行うグループ、野田中仮設にお住いの有志が作られた「グラシアの会」の皆様から折り紙を使って折鶴を作るというクラフト体験をさせていただくグループ、津波で大きな被害を受けたしいたけ栽培農家の小野さんの畑で作業をお手伝いするグループの3つに分かれて活動をしました。そして、午後3時頃から3日間の活動全体のふりかえりを、総合センターの会議室をお借りして実施しました。野田村では、復興住宅が建設され、また、自主再建の戸建て住宅も建ちはじめています。また、津波で流された地域は、区画整理が進んでおり、防波堤の意味での盛り土の工事なども進行しています。震災から4年が経過し、被災地の状況はどんどん変化してきています。「被災者お一人お一人に寄り添う」という基本姿勢は忘れず、さらに、変化する状況にも対応していくことも大切に考えて、今後も交流を中心とした支援活動を行っていければと思います。