今日は朝から三木防災で北播カップの決勝トーナメントがありましたので、自分と新美コーチでと帯同しました!良い天気に恵まれた上に、芝生のピッチでの試合だった事は選手にとっても良い環境での試合となりました。ただ、ピッチが天然芝であった事により、使用時間に制限もあって試合時間がかなり短いものとなりました。とは言ってもそれは相手も同じ条件である事は当然なので、立ち上がりが悪いうちにとっては短い試合時間の中でどのように力を発揮出来るか?という事は特に注目したい部分でした。

今週は少し組織で守備をする事への形を一つ提示したのですが今日は試合開始直前までアップの時間もポジションの個別に話をしてきちんと確認をしていきました。

まずは横の関係を整えて、その上で前後の関係も加えていく。守備を組織でやる上での基本の形ですが、やっぱり基本でも徹底してやれば必ず強さになっていくことを今日は感じたし、みんなの理解度も高かった事が分かりました。

今日の相手はセリオさんでした!昨年度もこの北播カップで対戦をしたのですが、その時は3−0での完敗でした。点差以上に何も出来ずに負けた記憶があるのですが、このチームでは新人戦の時に一度対戦をさせてもらっていてこのチームでは二度目の対戦となります。同じ北播にいるし、メンバー同士も知っている子もいたと思うのですが、相手がどうこうよりも自分達がどれだけやれるか?が楽しみでした!!

今日に向けて守備のメンバーにはたくさん話をしてきました。ですが、一度失った自信というものはそう簡単に取り戻す事は出来ません。このメンバーは新チームになってトップリーグ2部でやらせてもらって、初めて『強いとは?』『うまいとは?』というものを具体的に理解し始めてきました。

これまでは幼稚園児が将来の夢で、『花が好きだからお花屋さん』とか『お菓子が好きだからお菓子屋さん』みたいな発想があるように、みんなも世間を知らずに『サッカーが好きだからプロになって活躍したい!』みたいな事をホワっと思い描いていたはずです。ですが、中学生ともなり本格的にサッカーに取り組み出して『うまくなるって何?どういう事?』というホワっとしていた目標や夢に対して『具体的な努力を初めてやるようになった』事により、『その目標や夢への距離感が具体的に見えてきた』のです。それまでは『何とかなるやろう』『気持ちがあれば・・・・』なんてにわかに自分への期待もしていたはずですが、それも通用しない現実をようやく目の当たりにしているのが今なんです。

今日、試合の後に観戦してくださった方に元気がなかったという率直な意見をいただいたのですが、選手は今現実の壁にぶち当たっていて、そこを越える『覚悟があるか?』という難問と向き合っているのです。一般的な良い人として当たり障りないように生きる事は出来ると思います。でも、サッカーをやっている上で『強くなりたい』『勝ちたい』を口にするのであればやっぱりそれだけの覚悟が必要だって事です。そこを悩みながら、葛藤しながら今ちょっとずつあがき始めた所だと自分は認識しています。

各自が思い描くような『明るく元気に、楽しく』やっているイメージには遠いでしょうが、それでもそうなりたい目標を持って日々がんばるしかありません。対話をしていても、選手の目は死んでいません。みんな『分かっているんですけど・・・』というのが本音です。分かっているんだけど・・・という気持ちを乗り越える勇気と決断力!!それが必要な時期です。

何と言うか・・・・

うちの選手達と最近になって本当に密にコミュニケーションを取るようになって思うのですが感情の出し方を知らないと言うか、押さえ込んで生きてきたような感じをすごく受けます。だから、上手に自分を出せない子が多く変な我慢をしてモヤモヤした日々を送ろうとする。スッキリさせずに、解決出来ずに終わろうとする。今、全てを大人のように受け止めて解決するほうが無理だと思っているし、感情なんてたくさん出せばいいと思う。でも、肝心な部分では遠慮と言うか奥手と言うか・・・『弱いし甘い』と感じる。落ち込んで慰めてもらおうとか、好きでやっているスポーツの中で起きた『不都合』なんて自分の力で乗り越えないといけない。うまくいかない時期を自分の力で乗り越える経験をほとんどせずに中学生になったんだとつくづく思う。だから、うまくいかない時期に簡単に下を向き、簡単に落ち込み、簡単に心を折る。

今日で心から思った事は、今後のファルコはきっとそういう経験を『意図的に』させる必要性があると思った。それでも『サッカーが好きか?』って思いが勝つのかどうか?

そこまでしてやりたくない。そこまでやるならやりたくない。

そんな選択肢になる選手も出てくるような気がする。みんなサッカーをやる上での『興味や理想論』はあっても『覚悟』は足りないと思う。強さとは何かを犠牲にして得るものだと思っています。その犠牲とは人を裏切るとかそういったものではなく、『楽な時間』『何でも出来る時間』『遊べる誘惑』『逃げたい自分』『弱い心』などです。そういったものをきちんと越えてこそ強さは得られるのです。

楽しくやりたい、とみんなは簡単に言うけれど楽しむ『レベル』がよく分からない。正直、自分達よりも弱い相手をひたすら見つけていれば楽しめるかも知れない。どのレベルで楽しみたいのか?は個々によってもバラバラだろう。みんなは今後の事を真剣に考える為の、向き合える為の材料を今日獲得したはずです。だからこそ、これからをどう過ごすか?です。何度も言うけど『目は死んでいない』のだから、きっと乗り越える力はあるはずです。でも、その力を出す『覚悟』があるかどうか?そこにかかっています!!

強くなりたいのか?
うまくなりたいのか?
覚悟はあるのか?

学年が上がる前によく考えよう!!