少年事件が問うものは? 井垣康弘より その1

非行少年には4つの共通点があるように見えます
心の居場所がない。自尊感情がない。
人生の目標がない。他者から必要とされていない。
この4つの「ない」がそろったとき、つまり
4つのゼロ状態に置かれると、
少年は非行に走りやすくなるといえるのです

しかし、4つのゼロ状態に置かれた少年でも
他者を殺してしまう非行に至るのはごくわずかで
実際には、はるかに多くの子どもが自殺してしまう
少年のデータを調べてみると
1年間で殺人の既遂が8人、傷害致死が17人。
一方、自殺者は547人もいる

少年審判で非行少年に接してきた者としては
社会は少年による殺人事件におびえるよりも
それ以上に4つのゼロ状態に置かれた子どもが
自殺していることに、もっと関心を
持たなければならないと思うのです

<ムラサキハナナ〈ハナダイコン〉が咲いています>