少年事件が問うものは? 井垣康弘より その2

神戸市須磨区で1997年に連続児童殺傷事件を起こした
少年の審判を神戸家裁で担当しました
犯行声明で社会を挑発することまでしていた少年は
当時、中学3年生でした
身柄が家裁に送られてきた後、まず、徹底した
心理・精神鑑定を行うことにしました

その結果、分かったのは、彼が事件を起こした動機は
脳の未発達に由来する性的サディズムにあったことです
鑑定した精神科医に、彼は
「性的に興奮するときには、人間の腹を割き、内臓にかみつき
むさぼり食うシーンが思い浮かぶ」と打ち明けました

彼の脳は暴力中枢から分化して発達する性中枢の
発達が遅れている、ということでした
友だちと一緒にアダルトビデオを見ても
自分だけ何の興味も湧かない
「自分は異常だ」と思いつめ、その状態で生きていくことに
希望を失い、人を殺して死刑にしてもらおうと考えたのです

<アセビの花が咲いていました>