少年事件が問うものは? 井垣康弘より その4

国際的には、成人の刑事裁判のような従来の
「応報的司法」は再犯防止や被害者保護に
必ずしも有効ではない、との指摘が少なくありません

裁判や矯正の過程で、被害者と加害者、地域社会が
関わり合い、関係の修復を目指す
「修復的司法」が有効ではないか、と

例えばノルウェーは1960年代、70年代に
厳罰化を進めたが効果はなく、その後、修復的司法に
転じて再犯防止率を低下させることに成功しました

加害者、被害者と地元の市民が務める調停委員が話し合い
合意が成立したら裁判にはかけない
いわば地域社会の中で解決を目指す仕組みです

刑務所で受刑するとしても、その処遇は自由度が高く
いかに社会復帰するかに主眼が置かれます
犯罪者を囲み、加害者にどんな問題があったのかを皆で考える
犯罪者も人間である、という考え方です

ノルウェーでは先年、移民政策に反対する過激派の男が
連続テロで77人を殺害する事件がありました
それでも、死刑復活の話は出ない
最も重い禁固21年の判決でしたが、成績が良ければ
10年で仮釈放もありうる、としたそうです

<桃の花が咲いていました>