児童精神科医の現場報告 古荘純一
オランダはユニセフの幸福度調査で、子どもたちの幸福度が
先進国の中で最も高く注目を集めている国です
また同調査の中で「孤独を感じる」と答えた子どもはわずか2.9%と
これまた調査国中で最も低い数値であり、この数字は日本の29.8%の
10分の1となっています(15歳児)
またWHOヨーロッパ支部が行っている
「学齢期の子どもたちの健康行動調査」では
オランダの子どもたちは、学校でのストレスが最も小さく
親となんでも話ができると答えている子ども数が
非常に多いことが報告されています
これは私がふだんから感じている
「日本の子どもたちは学校で感じるストレスが非常に強く、
親は自分の悩みを何も理解してくれないと感じている」
という印象と正反対の子どもたちの姿です
14歳未満の人口の約6割近くがいわゆる「移民」であるオランダです
様々な問題を抱えて、子どもたちに悪影響があっても
おかしくないこの国でどうしたらそのように子どもたちが
満足した状態で生活できるのでしょう
オランダには紆余曲折を経ながら長い伝統の中で
シチズンシップや市民教育、民主主義の考え方が根付いているといいます
子どもは大人の付属物である、という見方はされず
小さくとも1人の人間だという考え方で親は接するそうですし
また子どもは親から、自分の存在についてポジティブなメッセージを
受けながら育っているといいます
<アマドコロは山草です>