永遠平和のために カント 池内紀・訳より その5

・世界市民法はもはや空想の産物ではないだろう
 国法や国際法に記されていない法典を補足すれば
 国家と民族の権利、公的な人権
 ついては永遠の平和をもたらすはずのものになる
 そのときはじめて人間は、永遠の平和に向けて
 たえざる努力をしていると誇ることができるのだ

・たとえ理性が道徳的立法の最高の力として戦争を断罪し
 平和状態をあるべき義務とするにせよ
 民族間の契約がなければ平和状態は確立されず
 保障もされもしない
 そのためにも「平和連合」とでも名づけるような
 特別の連合がなくてはならない
 平和条約は1つの戦争を終わらせるだけであるが
 平和連合は、あらゆる戦争を永遠に終わらせることを
 めざしている

<萩の花も秋の七草です>