新国立の検証報告書 「意思決定の進め方に問題」

新国立競技場の建設計画が白紙撤回された経緯について検証していた、文部科学省の第三者委員会が二十四日、報告書をまとめた。国家的なプロジェクトでありながら既存の組織体制で対応したとして下村博文文科相らの責任に言及する一方、最大の問題点だった工費高騰の原因について明確な答えを出すに至らなかった。 

報告書では、実施主体の日本スポーツ振興センター(JSC)には大型事業の経験者がおらず、民間で大型事業を実施する際に置かれるプロジェクトマネジャーもいなかったと指摘。外部の専門家らのチェックを受ける仕組みもなかったとした。適切な組織体制を整備しなかったとして、下村氏と、JSCの河野一郎理事長に責任の一端があると結論づけた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015092502000129.html

報告書より
プロジェクト推進体制に関する問題点の整理
第一に、組織内でのチェック・アンド・バランスの欠如である。JSCは当事者と
しての能力や権限が無いにもかかわらず、大変に難しい工事である本プロジェクトを
引き受けてしまい、さらには引き受けた後、適時適切な体制を作らなかった。また、
文部科学省は独立行政法人であるJSCへの管理監督が不十分であり、国家的プロジ
ェクトを念頭においた進捗管理体制を文部科学省内に構築していなかった。両者に共
通するのは、国家的プロジェクトに対する認識の甘さや判断の遅れに対して、それら
を早期にチェックして修正するメカニズムがなかった、あるいは機能していなかった
ことである。

◆新国立競技場整備計画経緯検証委員会 検証報告書 /文科省HP
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sports/029/toushin/1361944.htm