東田直樹の考える日々
今年の夏も熱かったです
夏といえば、氷の映像を見たり、風鈴の音色を聞いたりするだけで
涼しい気分になるというのはおもしろいと思いませんか
人は想像力豊かな動物です
願うだけで夢がかなうと思い込む人や未来を占おうとする人は
大昔からいます
僕自身は氷の映像を見ても風鈴の音色を聞いても
涼しいと感じることはありません
それは僕が自閉症だからというよりも
涼しい気分になることと、実際に涼しくなることは
別の問題だととらえているからでしょう
これと似たような話はいくらでも存在します
例えば、こうすれば健康になる、金持ちになる、幸せになるといった多くは
きちんとしたデータや根拠がないものだらけです
なんとなくそう思う。間違っているはずがないと信じるのは
その人の自由です。けれども、だからといって、
自分の意見を相手が納得するまで説得しようとしたり、
世間の常識を変えなければいけないと考えたりすることには
疑問を感じるのです
社会は様々な人たちで構成されています
自分と同じ価値観の人が増えれば、居心地が良くなりますが
それが本当に、よい社会なのでしょうか
正しさが世の中を動かすと考える人はたくさんいます
しかし、正しさとは、その人が置かれている状況で
いくらでも変わることを歴史は証明しています
必要なのは、理解者を増やそうとすることではなく
理解してくれない人の意見に耳を傾けることではないかと思うことがあります
そうすれば、自分の主張の矛盾に気づき、理解を得られなかった
理由がわかるかもしれません
どこで誰が何を言っているのか、すべての人の思いを把握できる人はいません
自分の世界の小ささを自覚している人に、僕は憧れています
<マリーゴールドがさいていました>