今日から新しい一週間の始まりでしたが、また今週も加美の松井小学校さんの体育授業をさせていただきます!
一気に冬らしく寒さが出ていた今日でしたが、授業は4時間連続というなかなかハードな日程の中でやる事となりました。学年は5年生、4年生、3年生、2年生と順番に下がっていく感じだったのですが、学年が下がれば自分のテンションは上げないと対応出来ないので、疲労の溜まり具合と反比例してやっていくという状況でした(笑) でも、どこの学年も3回目ぐらいになってきているし、自分のやり方にもすっかり慣れてきているので話を聞く事からもきちんとやろうとしてくれているので、大きな声を出す事もほとんどなくなったし(あるのは盛り上げる際です)、子供ともゆっくり向き合えるようになってきました!!
今日はテーマにしていた事は『アイデアを出し合う・言葉の大切さ』という事を持ってやるようにしました。体育全体のテーマはありますが、学年ごとに課題も違うし、そういった面を探りながら今日も、元気に、楽しくがんばらせてもらいました!!
うれしいのは、子供との距離はもちろんですが、先生方とも対話が増える事です♪先生方の考えを聞けたり、感想を聞かせてもらえる事もうれしいし、聞かないと分からない事も教えてくださったりするので非常に楽しくなってきました♪環境は自分で作る!その事を自分が指導者の立場として実践していきたいと思います!
まず最初の5年生が学校唯一の2クラスで45名という人数がいるので、体育館はかなり窮屈にはなりましたがそれでも大事な事を伝えるには十分な場所と時間でした。
自分の体育授業は『経験させて学ばせる』事をコンセプトにしています。だから、子供達が一旦困る事などがあっても手を貸したりはしません。その出来事に対してどのような対処をするのか?そこから何を学ぶのか?気付くのか?を知る為です。5年生は正直な感想で言うと男の子が随分と身勝手です。人数も45名の中、女の子が15名で男の子が30名と比率もそうですが、男の子のほうが多いにも関わらず身勝手が多いのでなかなかまとまりません。多い男の子が仕切れば問題ないのですが、そういう様子が全く見えないこれまでの2回だったので、今日は最初からそういう事の大切さを気付かせたり話をしました。何をやっても良いのではなく、体育には体操服が必要である事。帽子も必要な事!真面目にきちんとルールを守っている子が損をするのはおかしいという話をしていくと当然みんなも納得はしてくれたし、明日の授業で帽子のない子は参加させない事も伝えました。当たり前が当たり前でなくなっている事実。それを簡単に許してしまうのではなく、子供の中にもルールと責任というものは存在している事を指導しなければならないと思っています!
次にテーマにしていたのは、『言葉の大切さ』です!
何気なく使っているから意味もよく分かっていないとか、そういう事ってたくさんあります。今日は2,3年生にはそういう経験をしてもらいました♪
シュート勝負という事で二人でお互いの股下を狙って通すのですが、この時に見本でコーチの相手をしてくれた子供にわざと足を開かずに待っていると・・・
『せっこいわ〜〜!早く足開いて!!』と怒るので(笑)、
『はい!!』ってつま先だけを開いて見せます(笑)
『違うやん!足やんか〜〜!!もっと開いて!!』と畳み掛けてくるので、
『はい!!』ってさらにつま先だけを開くと、
『何でよ〜〜!股を開くんやん!!』って怒ってくるので(笑)、
『はい!!』って今度は膝を広げてガニ股のような形にします(笑)
『もう〜〜〜!!!!』ってそこから先は言葉が出ずに終わってしまう男の子達・・・・。(笑)
でも、やっぱり女の子は諦めません。よ〜〜く考えては言葉を選び、『つま先とかかとをまっすぐにしたまま肩幅よりも広く広げてください!』なんて事を言います。すると、みんながイメージした通りに初めて開きます。
そういう事をした後に全体に話をします。
『どうだい?男の子は腹が立ったでしょ?でも、腹が立ったらもう言葉じゃなくて態度や行動で抵抗したよね?本当にそんな方法で将来良い大人になれると思う?』と聞くと・・・みんな分かっています。それじゃ良くないって事を。。。
『だからね、教室でもそういうケンカが多くない?すぐに手を出したり蹴ったり、叩いたりって暴力で済ませてない?暴力の後は楽しくなるの?人はね!考える力があって、話せる言葉を持っているんだから、それをしっかりと考えて使ってほしい!そうすれば知恵やアイデアとしてみんなの役に立つ事がいっぱい生まれてくるんだよ!』と言いました。
体育も立派な授業の一つです!
体はもちろんですが、心だって育ちます。先生が、教える側がどういう位置づけにするか?だけだと思うのです。
今日も数名の先生に言われました。
『ゆおコーチの授業は子供にすごく大切な事をいつも伝えてくださる』と。
うれしい言葉ですが、自分は『伝える』のではなく『経験してもらっている』という考え方ですと言いました。自分達が経験しないと分からない事を経験してもらえるようなルールやゲームをやらせる事で色々な子供の考えや感情が出てくるし、そこから何が良いのか?どうすれば楽しいのか?を獲得してほしいんです!と答えました。
子供にとって大事な事は大人にとっても、人として大事な事なんですよね、結局。それが体育の、サッカーという授業の中で色々用意しながら考えたりしてくれるのは本当にありがたいし、そこが学校との関係性をうまくしている理由だと自分は思います!子供にだけいくら伝えても先生方にも理解してもらえないと継続は出来ないし、こうして毎年声を掛けてくださる事を本当に感謝したいと思います!
子供は考えて何かを獲得した経験は絶対に忘れません。
どのタイミングで、何を獲得するか?はこちらには分かりません。突然、『あの時コーチに言われて分かってん!』と話してくれる子供もいます。そうやってこちらが狙って何かを獲得させるなんて出来っこありません。ただ、大事な事に気付いてもらえるきっかけだけは与えます。こういう事を続けてやっていると、先生方から聞く話の中でも『教室でも様子が変わってきています!』という事を聞きます。
クラスで協力したり、男の子が引っ張ったり、女の子がまとめたり、発表が増えたり、みんなに注意する子が出てきたり、クラスできちんと話し合えたり、時間を守れたり・・・もちろんこの体育から始まった事ではないかも知れません。ですが、何かのきっかけだったり力になれたとすればこんなにうれしい事はありませんね。自分はコーチをしていて、『自分の見えている中ではなく、見えない場所で変化している』事に喜びを感じます。何故なら、知っている指導者の言う事は聞く、という子なんて山ほどいるからです。ひどければ、その指導者の言う事しか聞かない子もいたり・・・(笑) それでは意味も価値もありません。子供は自分の道具ではないので、あくまで自立していく為の手助けをしたいのです。だから、自分が言う事も聞いた上で自分の頭で考えて責任を持つ。そうやって他の場所で成功したり、何かを獲得出来たならそれが一番自然で、一番良い形だと思います。
育成に関われる事の楽しさや喜び、大切さをいつもこの時期に学べます。ですが、同時に苦労も、難しさも、うまくいかない体験もさせてもらっています。ただ、どの結果であろうと、その日に意味を持って向き合った事に『失敗』はありません。この経験があってこそ、次の成功があるからです。また今週金曜日まで多く出来る時間を大切にして、またこの学校から声が掛かるようにがんばりたいと思います!