1月9日(土) コラボ大学校を開催しました。
テーマ 身近な野鳥たちに癒され
語り手 小川浩一さん
ロックギタリストとして音楽業界で活躍し、新千里東町地域自治協議会会長として地域に尽力する小川浩一さんは、6年前から野鳥観察を始め、地域情報紙に野鳥関連のコラムを執筆しています。千里ニュータウンの中でも、特に新千里東町と南千里は野鳥の宝庫とおっしゃる小川さんに、千里で見ることのできる野鳥の魅力と野鳥観察の楽しみ方を語っていただきました。
川上時子さんの『バッハ:三声のインベンション(シンフォニア)より11番』ピアノ演奏に癒された後、講演が始まりました。
小川さんが健康維持のためにウォーキングを始めたのは2010年3月下旬。当時は野鳥に興味が無かったとのことですが、ウォーキング初日に「アオサギ」と出会い、翌日以降カメラ片手に野鳥観察を行うようになりました。野鳥観察や撮影に使う望遠レンズ等は4万円前後で揃えられたそうです。
6年間に撮影した野鳥は70種類以上。千里中央公園や服部緑地などで観察してきた野鳥たちの生態を、写真とともに紹介されました。身近な都市公園でたくさんの可愛いらしい野鳥が観られることに、参加者から驚きの声が上がりました。
長谷池周辺(新千里東町・千里阪急ホテル裏)はゴールデンウイーク前後に野鳥たちの営巣や抱卵を近くで見ることができる、北摂地域お勧めのスポット。花が似合う野鳥「メジロ」はホテル横のサザンカの花の蜜を吸いに来るが、蜜を吸う木は決まっているらしい。人の多い場所にいる野鳥は人に慣れているようで、小川さんが南港へ出かけた際70cmの至近距離で野鳥の写真を撮ることができたと話されました。
千里中央公園で有名なのは鳴き声が美しい「イカル」。中学時代にピッポッポ、ピポッポとの鳴き声が気になっていたが、野鳥観察を始めてから鳴き声の主を知ったとのこと。
珍しい野鳥の目撃情報はSNSで即拡散され、服部緑地のとあるスポットに観察者が80人近く集まっていたとか。
野鳥の体内にはGPS機能のようなものを備えているのだろう、小さなカラダでシベリアなどの海外から来て、日本の山で営巣をして、生まれたヒナが若鳥になって、季節になれば戻っていく。数千羽の群れのなかで、力尽きて海へ落ちる「子」もいるだろう。彼らが極寒等の厳しい環境から逃れるため、血を繋ぐため、危険をかえりみず日本へやって来ることに、命の根源的なものを感じます、と小川さんは語りました。
野鳥を5m以内の近距離で観察し、写真を撮ることは楽しい。ただ、ホームである山に餌がなく、街なかの公園で餌を食べる野鳥を思うと複雑な気持ちになるとも話されました。
野鳥たちを「この子」と呼ぶ小川さんの愛情が感じられ、身近な場所で気楽に、お金をかけずに楽しめる贅沢な癒しの世界があることを皆さんにお伝えできた講演となりました。
小川さんより、千里ニュータウンとその近隣で観察できる野鳥のリストが参加者に配布されました。
ここでは長谷池周辺で見られる主な野鳥の種類を記します。
通年:バン、ハクセキレイ、イカル、シジュウカラ、メジロ、ウグイス、コゲラなど
冬季:ヨシガモ、ジョウビタキ、アオジなど
その他撮影記録あり:カワセミ、アオサギ、カイツブリ、ホシハジロ、ルリビタキ♂
アカハラ、マヒワ、カワラヒワ、オオアカハラ、クロツグミなど
千里図書館司書の浅尾さんより、木彫りの鳥のオブジェの作り方に関する本など、思わぬ切り口からの図書紹介がありました。
寒い日が続きますが、晴れた日に近くの公園を訪れてみてはいかがでしょう。
皆さんの身近なところに珍しい野鳥がいるかもしれません。
【次回のコラボ大学校】
日時 2016年2月13日(土)14時〜16時15分
会場 3階 第一講座室
テーマ 『大阪と能勢をつなぐ道・能勢街道の風景
〜街道の移り変わりと道筋の史跡(岡町周辺)〜』
語り手 瀧 健三さん
(ツツミ)