ある日、家の門柱にぽつんと乗っていた種らしきもの。1cmくらいで楕円形でオウトツがあります。「何かの種だろう。鳥が食べたのかな」とまでは、推測したのだけれど、はて、何の種?
早速、インターネットで検索してみると、同じようなことを不思議がる人はいるもので、判明しました。「栴檀」の実でした。白い種のようなものは「核果」といって、とても堅いもので、この中に種があります。栴檀の実を食べるのはヒヨドリやムクドリだそうで、実を食べて糞に混じって核果が運ばれる訳です。このように動物によって種が運ばれることを「被食散布」というそうです。
自然界の仕組みは本当にミラクルですね。だけど、現代においては、アスファルトの上に散布されることも多いでしょうし、実際に芽を出して育つ確立はいかほどなのでしょうか。ちなみに、「栴檀は双葉より芳わし」の栴檀は白檀のことだそうです。古名は「アウチ」(「オウチ」とも)といい、いつ頃から栴檀と呼ばれるようになったのかは定かでは無いですが、果実がたくさんつくことから「千珠(せんだま)」、黄色に輝く枝一面の実を「千団子」に例えたなどの説があるそうです。
栴檀は獄門になった罪人のさらし首をかける樹として利用された歴史があり、墓などに植えられ、縁起が悪いと庭木とされることもあるみたいですが、元々は邪気を払う霊木として扱われていたそうです。ひとつ謎に思うのが、30年以上も同じ所に住んでいてなぜ今栴檀の核果を見つけたのか…。考察は続きそうです。※ちなみに2枚目の写真は事務局長が鴨川で採ってきてくれました。ありがとうございます!(よ)