荒川と崖線の間の平地は今は高島平団地、この住宅団地を整備したのは、1956年に日本住宅公団を事業者に始まった板橋土地区画整理事業です。330ヘクタールの大規模な事業で、あわせて開通した地下鉄三田線は高島平付近に4駅もあります。1972年から入居が始まり、高島平団地だけで10000世帯以上が住む大きな団地になりました。高島平駅のすぐ北にある徳丸ヶ原公園の子供動物園の手前に、板橋土地区画整理事業の記念碑があります。
戦前、戦後の土地区画整理事業は大量の風呂無し長屋、風呂無しアパート、風呂無し公営住宅を生み出して、そのまわりに銭湯をどんどん増やしていきましたが、公団住宅は風呂付なので、これだけ人が増えても高島平にはあまり銭湯はできなかったようです。その後は家に風呂はあっても、銭湯はご老人の憩いの場として親しまれ、板橋区では全部の銭湯で毎月二回ずつ健康体操の集まりが開かれています。今は新しい活動の舞台にもなっていて、昨日の板橋市民マラソンでは走った後汗を流そうと銭湯に殺到した人で、大繁盛でした。
そんな銭湯の一つが紀の国湯で、三田線蓮根駅から東側の横断歩道の向こう側に見えています。玄関にはマラソンのため14時から開店しますという張り紙がありました。いかにもマラソン走った後といった感じの人が次々に訪れてます。
脱衣場はかなり込み合っていましたが、紀の国湯は浴槽がサイドに細長く、曲線を描いて広いので、グループでゆったり浸かっていても十分なスペースがありました。浴槽の形だけでなく、柱や壁、照明など全体に丸みを帯びたデザインが多く、優雅な感じです。例えば照明は丸いボールで、そのうち壁のは様々な魚の形の灯具に取り付けられています。
紀の国湯 板橋区坂下2-33-4 15:00〜23:40 月曜お休み(祝日は翌日休) 三田線蓮根駅すぐ