「本」を通して「人」と出会う(その2)

素敵な人と本の紹介、続きます!

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■ 『くだもの』
著:平山和子(福音館書店)
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上の子が3ヶ月検診の時のこと。
どうやら、市から絵本がプレゼントされるらしく
「どちらがいいですか?」と2冊の絵本が差し出された。
その時の絵本が「くだもの」と「おつきさまこんばんは」だった。

どちらの絵本も育児界では超メジャー級の絵本なのだけれども
その時の私は「初めての育児!なんでも珍しい!」状態で
その2冊を、その時初めて開いたのだった。

表紙を見ただけでは、ロマンチストな私としては
「おつきさま」がでてくる「おつきさまこんばんは」がいいな〜と思った。
んが!パラパラ〜とめくって即決。
選んだのは「くだもの」!!!!!
「くだもの」なんというか…なぜか狂気を感じる。
すいか、りんご、くり、かき、みかん、ぶどう、いちご…
色んなくだものたちが、次々と「さあ どうぞ」と、差し出される絵本。
そう。ただただ、くだものが「さあ どうぞ。」と差し出される絵本。
でね、その…
「さあ どうぞ」とフォークを持って差し出す手が登場するのだけど(手だけ!)
なんとなく男の人の手に見える。
なんどもなんども絵本を読み聞かせているうちに
三遊亭円楽から毒素が抜けたような男性が
または中井貴一をぼやけさせたかんじの男性が
どこかに描かれていると思い込むようになってしまった私。

友人が来た時に、「この『くだもの』に出てくる男の人がさ〜」って話をして
友人に「男の人など載っていない」と言われて
「嘘?!」と言って何度もページをめくったのを覚えている。

誤解があるといけないので書いておきますが
丁寧にリアルに描かれた、色んなくだものがでてくる素敵な絵本なんですよ!
まるのままはどんな姿か。
食べられる時はどんな姿か。
シズル感たっぷりの、かと言ってギラギラしていない、滋味深い素敵な絵本です。
だけども、不思議な静かな狂気を感じる絵本。
一度と言わず、何度も何度も読んでみてはどうでしょう?

【紹介者】 JOEさん
美術作家
平成26年から川西で「こどもオモ部」はじめました。

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その3に続きまーす!