フィンランドの親子にやさしい子育て より

(上)かかりつけ保健師さん

フィンランドでは1人の保健師が妊娠期から産後
子どもが就学する前まで同じ家庭を見守り続ける

保健師が拠点にする施設や、長年同じ家庭を見守る
仕組みのことを同国語で「アドバイスする場」を
意味するネウボラと呼ぶ

ネウボラは人口550万人の同国に850か所
62万人のヘルシンキ市に24か所ある

子どもを授かった夫婦は産前産後に11回
子どもが1歳になるまでに9回
1歳以降は毎年1回通う

長年守り続けることで児童虐待防止や
家庭内暴力の防止につなげる意味もある

同国でネウボラが始まったのは1920年代

子育てしやすい国として名高い北欧フィンランド
国際NGOセーブ・ザ・チルドレンから
「世界で1番母親にやさしい国」に認定され
共働きで子育てするのが当たり前になっている

(中)すべての子を保育所に

首都ヘルシンキ市では希望する子ども全員が保育所に
通っています。待機児童はいません

市は出生率や人口動態予測により
市内で保育を希望する人数を予測
十分に施設を確保します

保護者は第5希望まで列挙。市は遅くとも2カ月以内に
入れる保育所を提示しなければならない

人口62万人のヘルシンキ市には市営328か所
民営114か所の計442か所の保育所がある

定員約28800人に対し通う子どもは26000人
まだ2000人の余裕がある

日本の都市と比べると差は歴然としている
フィンランドに幼稚園はないため単純比較は難しいが
名古屋市がヘルシンキ市と同じ人口だとすると
ヘルシンキ市の施設数は3・9倍、定員は2・5倍になる

フィンランドでは1973年に保育所法が施行され
希望する全員が保育所に通える様にするため
自治体に対策を義務付けた

同国では法律で3年間の育児休業を取得できる
保育所がしっかり整備され、残業がほとんどない
働き方の違いもあり、3年間の育休をとった後は
職場復帰しフルタイムで働くのが普通だという

(下)教育も医療も無料

学校の夏休みの期間、公園は日本の学童保育に当たり
保護者が働きに行っている子が「通園」する

広さは8800平方メートル、開園時間は午前9時から午後4時
市内に65か所あり保育料は無料、給食も無料だ

フィンランドでは小学校から大学まで学費は無料
18歳未満の医療費も無料
出産時には洋服や布団など約50点が入った
育児パッケージを国が希望する子全員にプレゼントする

お金が費用なのは保育園だけ
ただ両親の所得に応じて負担ゼロから最大でも約33000円

その分日本の消費税に当たる付加価値税は24%と3倍

東洋大の藪長千乃教授は
「フィンランドでは政府に対する信頼が厚い
高い税金を払ってもそれに見合ったサービスを
きちんと提供してくれるとの理解があり制度が成り立っている」
と指摘する

・・・・・・・政治や法律や選挙が自分とどんなにつながっているのか
若い皆さんもぜひ考えて欲しいです・・・・・・・

<ネジバナが咲きました>