今年度は「高額所得者だけでなく若い世代も住める、コミュニティや環境・まちなみなどに持続可能性のある街をいかに育てるか」という、千里ニュータウン戸建住宅地に固有な課題の解決に向けて、地域のみなさんと交流する中で学び、糸口を探ろうとしています。
7月2日(土)の午後、35度に迫る猛暑の中でしたが、T地区のお住まいのSさんたちに案内していただきながら、約2時間、T地区と周辺をみっちり見て歩き、そのご意見交換しました。
まちあるきと意見交換から、およそ次のようなことが学べました。
●道路を歩くときの見え方(街並み)が大切
・道路沿いへの建物の露出度が大きいと街並みの良さが下がる
・狭小住宅でも道路沿いの緑化で街並みはカバーできる
・三分割になると緑化のスペースはほとんどない
●敷地の使い方や分割の方法によって街並みが変わる
・道路に面して2分割すると建詰まり感が出てくる
・敷地の中で前後分割(道路面はほぼ従前のまま)すると街並みはあまり変わらない
・敷地はそのままで2住宅を建てたものは違和感がない(2敷地2建物に見える)
・敷地を計画的に分割し、デザインに統一感を持たせると街並みに連続性が出る
●2戸1住宅は、敷地の有効利用と街並み形成に有利であるが、土地・建物ともに区分所有になるので、次の更新時に問題を残すか
●建築協定、地区計画などの種類に限らず、細かい規制がある街は若い世代に敬遠される。それよりも、こんな素敵な人の住む、こんなに美しい街です、どうぞ一緒に住みましょうと、街の目標やイメージを伝えた方がまちづくりとして効果的。
●突然家が建って、住み始めるから、いろいろな問題が出てくる。敷地を選んだり建て替えたりする前に、聞き込みや地区の住民への相談などがあれば、問題は未然に防げる。そんなコミュニケーションのある街が理想。
●広い敷地の家は、高齢者だけでなく、若い世代にも住みにくい。高齢者が庭いじりなどをしながら安心して住み続けられるコンパクトな家(戸建、集合に限らず)が南千里駅周辺にできないだろうか(例:府営住宅の再生地など)。
これらを千里の戸建住宅地の問題解決にどう活かすかが今後の課題です。T地区のみなさんとは、今後とも交流させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。